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2016年08月24日

265.Castlevania :Lords of Shadow2

悪魔城ドラキュラ Lords of Shadow 2



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「キャッスルバニア :ロードオブシャドウ2」のレビューです。
(アマゾンで探しても見つからなかったのですが、よくよく見たら邦題は「悪魔城ドラキュラ :Lords of Shadow2」でした……。どうりでw)

 前作が面白かったので今作にも期待しました。
 結論は概ね良好ってところです。普通に楽しめたのですが、2になって良くなったと感じるところ、悪くなったと感じるところ半々でした。
 まぁ、個人的には満足しています。

 映像の綺麗さ、キャラ造形やマップの造りなどは相変わらずこのシリーズの美点かもしれません。
 道中で手に入るアートギャラリーを見る限り、かなり忠実に再現されていますよね。非常に雰囲気が出ていると思います。
 ただ、本作は前作とは違い、覇道を成したドラキュラの城、およびそれから時が経ち城跡の上に建てられた街が舞台、ということで前作に比べれば意識的な世界は狭くなってしまいました。
 その上、たぶんストーリー時間軸上では一晩の物語なのでどこもかしこもやや暗めです。
 本作はこの現代の夜の街と過去のドラキュラ城を行き来しつつ進んでいくのですが、まるで地獄のような闇と炎のコントラストや月の遠景などやっぱり美しく壮大ではあるのですが、個人的には緑萌ゆる森や山道や寒村なんかが好きだったりします。
 まー何が言いたいかって、ざっくりまとめてしまうとあんまり変わり映えしない景色が続くんですよね。
 いやなんというか、どのステージも特徴があって同じ物なんかないんですけど、「ドラキュラ城」あるいは「現代の街」というテーマや、行動範囲がそこから出ないので、結果的に似たような風景になってしまうんです。

 また、今作は前作とは違いステージセレクト制ではありません。
 この辺は、伝統ある悪魔城シリーズにかなり近づけたのかなと感じました。
 広大な悪魔城、あるいはその上に建てられた現代の街をあちらこちら探索しながらアップグレードや伝承を探していきます。
 道中徐々に解禁されていくスキルで行動範囲が広がり、あいかわらず探索は楽しいです。
 謎解き要素はかなり控えめになったと感じましたが、ねずみになって穴を潜ったり、霧変身で鉄格子を抜けたりと、前作とはまた違った形で探索を楽しめるはずです。

 戦闘に関してはもしかしたら難易度が上がっているかもしれません。
 本作もまた甘めの判定でジャストガードがしやすく、そこからの反撃が強力なのですが、今回はそれに頼ることができない造りになっています。
 というのも、敵がガード不可のパワーアタックをしてくるとき、赤いマークで予備動作を教えてくれるのですが、音が聞こえたら即座に行動しないと反応できないくらい速く、わかっていても避けきれない事態が多々あるのです。
 また回避の仕方にも、回避とジャンプとさらには霧変身とがあって、敵の動きが早く、予備動作も似ていたりすると、かなり混乱します。
 でもって難易度関係なくどいつもこいつも頻繁にパワーアタックを連発してくる上、ノーマルだろうとパワーだろうと攻撃動作中はスーパーアーマー(攻撃してものけぞらない)が付くのでごり押しが効きません。
 そんなわけで、本作はなかなか華麗な凄腕ハンターになれませんでした。

 そんなこともあってか、切れば体力を吸収できる剣、攻撃力の高いパンチ、攻撃範囲の広い鞭と、武器のバランスは上々にも感じられました。
 アイテムでの体力回復は隙が多いし勿体ないので、ピンチの時は剣で斬ったりトドメアクションで回復、余裕が出来れば炎パンチで削り、パワーがなくなれば鞭で補充といった感じで回していけます。

 さて、本作で辟易した部分もあります。
 ひとえにロード扉が多すぎる……。これに尽きるでしょうか。
 本作はシームレス感を出すために、画面の切り替えをせずにエリア移動を繰り返します。
 方法は簡単、小部屋に入ったらスイッチを押すと、今入ってきた扉が閉まり、小部屋のギミックががちゃがちゃ動いて時間を稼ぎ、次のエリアへの扉が開く仕組みです。
 初見なら面白いと思いますが、タネがわかっちゃうと結構だるいです。無論、スキップも出来ずにじっとするか、うろうろするか、なまじキャラ操作可能な分なんだかもやもやします。
 おそらく暗転して普通にロードしても時間が変わらないなら、雰囲気作りのためにもこっちの方が良いのでしょうが、ストーリーも片付いて探索のためにさっさとエリア移動を繰り返すようになると、もしくは全部集め終わってさくっと最高難易度を攻略する段階になると、これが気になり始めます。

 そして本作は細々したムービーも非常に多いです。
 それもこれも本作を一つの作品として、雰囲気を演出し、ドラマを作るのには非常に貢献しているので、単に鬱陶しいからこれは止めろと言えないのは承知しているのですが、スタートボタンでスキップしても即座にまた次のムービーが入ってまたスキップ……、これも二周目からきつく感じるようになります。

 そしてこの長いロードとムービー地獄が牙を剥いたのが、集め物も終わり最高難易度攻略も終わり、最後に残ったクライドスチャレンジに取り掛かった時でした。

 このクライドスチャレンジ。
 コンセプトとしては非常に面白いと思います。
 私は初め、DMCのブラッディパレスのような、ひたすら敵と殴り合うコロシアムモードだと思ってました。
 最高難易度といえど本編では敵の数は少なめでかなりあっさりクリアできることから、もうちょっと戦闘を楽しみたいと思っていたところでしたから。
 しかしこのチャレンジ、かなりの曲者です。
 チャレンジにはそれぞれ複数のミッションみたいなものが用意されていて、実績解除のためには最高難易度でこれらのミッションを全て同時に満たさなくてはなりません。
 意外とただ生き残るだけでも難しいこのチャレンジにおいて、「カオスパワーを使うな」だとか、「HPMAXを維持しろ」だとか、これ単体では簡単そうに見えても複数の要素が加わるとかなり鬼畜な縛りになり得ます。
 でもって唯一シールドやアーマーを破壊可能なカオスパワーを封じられる戦闘ではほぼ確実にシールド、アーマー持ちがわんさと出てくるんですよね。
 で、いかにしてこいつらを料理するかを考えるのが、実はこのモードの楽しみなわけです。
 まるで知恵の環を解くように、あるいはアクションパズルでもあるかのように、字面だけ見ると「はぁ??」とかなりそうな条件を見事にクリアしてきっちりクリアする方法がちゃんと用意されてるんですよね。
 これを探すのが意外に楽しくて、そして本編ではやや空気だった特殊技が活きてきます。
 意外な活用法だったり、クリアするまで未使用だったあの技が意外と強力だったり、敵の行動を改めてじっくり見る機会になったり。
 パズル要素もそうですが、戦闘自体もかなりきつく、何度もリトライすることになると思います。

 そう、リトライ……。

 こいつが曲者でした……。

 チャレンジに失敗するとすぐにリスタートできます。出来るのはいいのですが……なんと使ったパワーやアイテムは減ったまま再スタートなのです。
 だいたいの戦闘でカオス、ヴォイドパワーが必要になるのですが、これが意外と回復しづらいんですよね。
 うかつに殴ってはいけないチャレンジもあるのでいったん外に出て回復してくることになりますが、そこであの牙が剥かれるわけです。

 チャレンジを諦める→鏡に入るムービー(スキップ)→異次元を歩く(実際に歩かされる・スキップ不可)→鏡から出るムービー→店を出る(ロードが終わるまでエレベーター内でうろうろ)→エレベーターを降りて20歩くらい走る→シンボルを利用して異次元の扉を開く→狼が出てくる→そこまで行く→狼にゆっくりついてく→異次元を通る(二回目)→現代に来てすぐそこのパワー供給機からパワーを吸い取る→鏡に入るまで同じことをする。

 で、ここでようやくチャレンジ再開。始まってすぐ手順を間違えた日にゃあ軽くコントローラ投げたくなります。
 そこまでしなくても1分間パワーが使い放題になるアイテムもあるのですが、時間が切れると全てのパワーが0になるのでアイテムを何個もストックしなければなりません。
 しかしここでまた問題が。
 アイテムの最大ストック数は5なのですが、お店に並ぶのは最大3個までなのです。

 もうね、そろそろめんどい理由を書くのも疲れました。
 とにかくこのチャレンジモード、中身は面白いのにリトライ性が悪すぎるんです。チャレンジで使用したものを補充するための施設が一つ所に集約されていないのが原因です。
 幸い、チャレンジの総数は多くないので何とかなりましたが、このチャレンジのリスタートコマンドが死んでいるのがなんとも残念でした。

 ちょっと愚痴が多くなってしまいましたがゲーム自体はかなり楽しめました。ストーリーは、うーん、まぁ、まぁかな。ひどすぎるわけではないと思いますが、あまり捻ったものではないです。久しぶりにドラクエ式、FF式空気ラスボスを見た気がします(笑)
 詳しくは知りませんが、「宿命の魔鏡」が登場したところを見ると、XBLAで配信されている2.5Dのアクションゲーが、もしかしたら本作の前日譚なのかもしれませんね。

 ちなみにDLCもプレイしました。
 本編で登場したアルカードを操ってDLC専用ステージをプレイできるのですが……ぶっちゃけ実績がいらないならプレイしなくて良いレベルです。
 ストーリーが知りたくてもプレイしなくて良いレベルです。

 めっちゃネタバレしますが今から三行でDLCの全容を語って良いですか?
 いきますよ?

 頃合いなので剣を抜いたらママが出て、パパの武器を取り返せと言う。
 二つの武器を取り返してパパの見つけやすい場所に置く。
 ゾベックの副官を屠って成り替わる。ナイスアーマー。

 以上でございます。
 いやぁ、これはないわぁ。
 むしろ副官に成りすました後、パパが戦ってる間にこっちはこっちでなにやら動いていた、とかそんな本編に付随するアナザーストーリーを期待していたのに、別にそこは語らなくてもいいよ、っていうか後からこじつけた感満載のお遣いで終わってしまうって……。ムービー全スキップで最高難易度通しましたが、30分かかったかかからなかったか、くらいです。
 これはちょっと良くないDLCです。

 やっぱり攻略が終わった直後に書いているので記憶が生生しく、ネガティブな面が多いです。
 ただ、本編プレイ中は十分に楽しかったし、アルカード編はパズル色が強くて、やっぱりクリアするまでは楽しかったです。
 個人的にはこれでも満足しているのですよ。うん。

・こっそり追記
 クライドスチャレンジのミッション内容についてですが、たとえばニブルヘルの戦いのミッションの一つである「パラディンが双剣を繋いだら、20秒以内にひるませて、全員倒す」といったようなものがあります。
 これはちょっと誤解を招く書き方かもしれません(というか私は誤解しました)。
 内容をもう少し言い直すとすると、「パラディンが双剣を繋いだら20秒以内にひるませる、というルールの元、全ての敵を倒せ」でしょうか。

 すなわち、予め全員の体力をギリギリまで削っておき、パラディンが双剣を繋いだら20秒以内に彼を怯ませつつ速攻で全ての敵を葬り去る……という意味ではないです。

 なので、パラディンの行動をキャンセルさせつつじっくりと他の敵を始末していけるというわけですね。

 この「○○して、全ての敵を倒せ」というミッションは他にもちょいちょい出てくるのですが、混乱しないように気を付けてください。むしろ全ての敵を倒せ、は当然の項目なので無視して構わないです。
 別にヴォイド・ソードで止めを刺さなくてもいいのです。


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