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2017年04月27日

303.Shantae :Half-Genie Hero

303.1.png

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「シャンティ :ハーフジーニーヒーロー」のレビューです。

 2Dドットにはドットの良さがありましたが、こちらも最高にキュートですね。あ〜、やっぱり可愛いよシャンティちゃん……(*´Д`)ハァハァ
 パイレーツカーズとは絵師が異なるようで、若干猿っぽい(笑)

 絵柄はもちろんのこと動きも大変に生き生きしてて、被弾時の一瞬のモーションにも非常に手が込んでいます。
 また本作は、まぁ、上のSSにあるようにリメイクなのかなんなのかわからないんですけど、たぶんGBC版を意識してるとは思います。
 それが如実に現れているのが拠点となる街の描写と変身システムじゃないでしょうか。

 ちょっとうろ覚えですけどGBC版では「パイレーツカーズ」のような左右で入り口を選びつつ、本作のようにぐるっと街を半周するような形態でした。

 変身が復活したのはすっごく嬉しいですね!
 全8種+αある変身がどれもホントに可愛くて、しかも作り込まれています。毎回新しい変身を身に着けるとしばらく鑑賞していました(笑)
 何度でも言います。すごく可愛い。

 そしてシャンティを語る上で欠かせないのがやはりゲーム性です。メトロイドヴァニア系で、この変身を駆使することで世界が広がっていくのですが、この塩梅がすごく気持ちよくのめり込んでしまいます。
 リコだかリアだったかコアだったかのだだっ広い世界じゃなく、ぎゅぎゅっと詰まってます。

 もうね、なんらかの賞を受賞してもまったくおかしくない出来ですよ。

 本作にも前作同様タイムアタック実績が課されていて、コンプには数周を要しますが、まったく苦になりませんでした。
 私は本作が配信された直後に購入して温めておいたのですが、いつだったかアップデートが入り、「オールドスクールモード」が追加されていました。
 無料アップデートのくせに追加実績100までついてるんですから太っ腹ですよね。
 調べたところによると本作はクラウドファンディングを経てファンの力で実現した作品だそうで、無料アプデも感謝の意を表しているのでしょう。
 どれだけ人気があり、続編を切望されたかはスタッフロールを見れば一目瞭然です。

 さてこのオールドスクールモード、本編よりもはるかに難しい骨のあるモードなのですが、この味付けもやはり一味違いました!
 高難易度化といえば被ダメの増加が一番ですが、本モードはその被ダメが馬鹿にならないくらい高いです。
 序盤のカニに触れただけでハート二つが吹っ飛びます。体力強化をしてなければオワタ式です。
 加えて敵の体力増加、配置ががらりと変わり、終盤の敵が序盤から出現したり、配置される数が増えたりしてかなり手強くなっています。

 そして一番驚いたのが、なんとボスのパターンまでもが変わっているのです。
 パーパーティンカースラグでしたっけ? 最初のボスと舐めてかかって見事に返り討ちを食らいました(笑)
 やっつけじゃない、しっかりと練られた素晴らしい追加要素だと思います。それでもって、何かが制限されているわけではないので本編で通じた攻略がこちらでも通じるのがいいですよね。
 本編に比べて制限されていることと言ったら、最終盤で手に入る魔力無限アイテムが消費した魔力を徐々に回復させる効果になっていること、持てる消費アイテムの数が9から6に減っていることくらいでしょうか。
 与ダメが減ったり、アイテムの効果が半減したり、魔力消費が多くなったりしないので、「在ったモノが無いストレス」を抱えることなく没頭できるのは本当に良い難易度調整だと思いました。

 とりあえずハードコアの攻略で必要になるのは被ダメを半減するビキニの鎧、それからボス戦でのごり押しに半月刀なのは相変わらずですが、道中を安全に通過するために無敵も必要になってくると思います。火と雷の魔法は買わないか、レリックの効果を切っておくと切り替えが楽になります。
 どうせ風呂屋で宝石増殖するからと序盤をけちると、インチキ蛇屋さんにたどり着けなくて苦労しますよ(体験者は語る)。

 実績ついでに付け加えておくと、一周する中で取り逃す恐れのある実績は二つです。
 まず最後の四つの手がかりを全て集める実績。幾つか集まった段階でおじさんと話してしまうと選択肢が出ずに渡してしまうので話しかけないこと。
 それからリスキー・ブーツをネズミ齧りで止めを刺すってやつです。ボスとは再戦できないのでこの二つはいつかどこかのタイミングで狙って解除しましょう(タイムアタックから察せますが効率よくやれば一周二時間ほどでクリアできるので取り逃しても特に問題にはならない)。
 他ジェットコースターノーミス突破とか、砂漠の塔駆け上がりタイムアタックとか、工場ノーアラート突破とかは、実は初回訪問時でなくとも条件を満たせばいつでも解除できます。
 ジェットコースターは魔力無限アイテム装備で火か雷の最終魔法をぶっぱ。ノーアラートは最後のワニ二匹が難しいのですが、蜘蛛ちゃんで頭上スレスレを渡り歩けば難なく素通りできますb そこまでの道中もハーピーでスイスイ。

 前作パイレーツカーズと比べると、若干難易度下がっているかなとは思いますが、前作を遊んでいてコツを心得ているからとも取れます。ステージ数もちょっと少な目かなぁとも思いますが、ハードコアモードの追加で前作より一周多く回りますし、やはり誤差の範囲ですね。ボリュームは変わらずともボスノーミス撃破などシビアな要求が無い分実績的にはやっぱり楽にはなっているのでしょうか。
 初見はじっくり見物しながら、タイムアタックはそれぞれに一周ずつ割いて、最後にハードコアをアイテムコンプ100%でクリア、こんな感じで15時間ほどでしたが、非常に濃密で非常に楽しい時間を過ごせました。

 ホントお勧め。
 もっともっと知名度があがって欲しいですね!

 欲を言えば変身モーションも作って欲しかったです。
 GBC版の変身はテンポが悪くなりがちでしたけど、それぞれの動物への変身に専用の振付が備わっていたのです。
 本作にもそんなダンスシーンがオプションなりレリックなりで切り替えできるようになっていれば良かったのですが。

 まずはストアで本作のPVをご覧ください。最高にワクワクさせてくれます。

↓貴重な寝起きのシャンティちゃん。まずは動きや操作感のチェック。溜め息でるくらい作り込まれてますねー><


↓最序盤のステージ。テーマソングと共に駆け抜けろ! ……駆け抜けろって言ってんの! 実はどのステージも初回に訪れた時と次回以降訪れた時とでステージの様子、昼夜、敵配置等がらりと変わっていて、この手の込みようはただただ脱帽です。



302.ReCore

ReCore


302.1.png
 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「リコア」のレビューです。

 Oneの最初期に(もしかしたらローンチ?)発売された作品です。PVやらを見ると非常に広大な世界で孤独な、でもちょっと暖かい、そんな旅をしそうな、割とわくわくしてくる映像なんですよね。
 ただ、蓋を開けてみると……。

(フレンドに指摘されるまで勘違いしていたのですが、発売は2016年9月15日で、まだ発売から半年程度だったんですね。PVなどで以前から知っていたような記憶があるのでOneの中では古参の作品だと思い込んでいました)

 おそらく評価は二分されると思います。
 本作は大人の事情で切羽詰まった状況で作られたのがありありとわかるくらいに、そこかしこに手の行き届いていない部分が見えるのです。
 マップはだだっ広く、床と壁の接合がうまくいっておらず、裏側がスケスケだったり、内容を詰め込む余裕がなく、とりあえず作っただけの区画があったり。
 バグも多く、不穏な戦闘BGMが戦闘が終わっても鳴りやまなかったり、仲間の一人であるセスだけがリーサルがまったく回復しなかったり(結構厳しい)、アリーナダンジョンで死ぬと戦闘の最初から仕掛けも全部やり直しの仕様のくせに一度起動させたスイッチが反応しなくなったり、扉は開いているのに反対側からは見えないバリアで押し出されて通り抜けられなかったり……etc.
 もしかしてPreview版!?

 まま、それは置いといて。評価が二つに分かれると思われる理由ですが、まず本作は「メトロイドヴァニア」の形態をとっています。広大なマップがあり、ストーリー部分は重要な場所だけつまみ食い、他は出来ることが増えてから戻ってきてねというパターンです。
 ストーリー進行に伴って出来ることが増えてくるので、まずはサクッとストーリーをこなして探索に必要なガジェットやらギミックを全て揃えてから探索と洒落込みたいところです。

 ……なのですが、実は本作、ストーリーを追うだけならあっという間にラストダンジョンまで行けてしまいます。
 始まりの地に降り立って、これからどんな冒険が待っているんだろうとわくわくしながらマップを開きました。
「おお、広い。これがステージ1のマップかぁ」などと感嘆したのも束の間、実はそれが本ゲームの全世界でした。
 実際コンプしてみて十分な広さでしたが、なんだか薄っぺらいなぁという感じは否めません。

 本作はストーリーがかなり短く、それでいてまったく面白くなく、実のところこうしてストーリーを追うだけの間は戦闘も探索も何も面白くないのです。
 敵はかなり高速で入り乱れ、複数種の攻撃をがんがんぶちかましてきます。よくわかんないうちに画面外から攻撃を受け、硬直中のよろめきモーション中に二撃、三撃ともらいあっという間にゲームオーバー、探索も無駄に広く感じ、今は出来ないギミックがあるのがわかっているのであんまり探索しようという気にもなれません。とりあえずストーリーを一周して準備だけでもと思った矢先に「え? もうラスダン?」となり、トドメに「先に進むにはプリズムコアが足りません。ついでにレベルも足りません」と来たもんだ。
 とりあえずわかるものだけ拾ってさあ先へと思うとやっぱり「先に進むには更にプリズムコアが足りません、ついでにレベルも全然足りません」とくりゃあ、そりゃクソゲー扱いもしたくなります。

 しかし、ラスダンに来たということはこれで全てのガジェットが揃ったということなので以前に訪れたマップを最初から順に回っていくことになります。
 実績一覧を見て、マップ内になんとなく置かれていた白くて四角いハードウェアも全て集めなければならないと知った時の絶望感……。でも、そいつを探してあちこち走り回るのが……実は一番楽しい時間であり、本作で最も楽しい部分でした。マップは広いですが、何もないというわけでもありませんし、建造物がやたらとでかいので何気にわくわくします。
 ハードウェアは実績のプログレスバーの伸び具合から見て、三つのマップに200個ずつ散らばっていると思います。それを全てノーヒントで見つけねばなりません。
 ライオットアクトに勝るとも劣らない鬼畜の所業です。
 本当に苦労しましたが(ほぼ)自力で見つけ切った時の達成感は良いものでした(笑)

 そしてこの段階になって初めて本作の面白さを実感できるようになります。探索するうちに多数の戦闘をこなし、ストーリーを追っている間だけでは到底見えてこなかった各敵の対処法や、味方ボットのリーサルと抽出の合わせ技の気持ちよさ、ブループリントが揃ってきてボットが強くなったり。
 本作はアクションの自由度が高く、ダッシュとジャンプを合わせることで意外なほど遠くへ、意外なほど高くへ飛び移れたりするので、放射能で汚染されていてどうせ先には進めないことがわかっていても高いところへ登ったり、あるいは登れないか挑戦してみるのが楽しかったです。意外と足がかりみたいなものがあって、結構登れるんです(笑)

 で、ここまで遊んでようやく「あ、意外と楽しいぞ」となってきて、180度変わった二つ目の評価になるんです。

 本作の制作には「伝説」のクリエイターが関わっているのですが、まあ私の世代だとぎりぎり外れているので有難みを感じません。むしろその伝説がいつまでも足を引っ張って面白くなるはずだったゲームを食い殺しているんじゃないかと邪推すらしてしまいます。

 製作期間も金も、ぎりぎりまで削られている中で、「こんなに不具合やバグだらけで、しかもあるはずのコンテンツがいつまでたっても出てこない、辞めたら? この仕事」という評価になるのか、あるいは「こんなキリキリ舞いの状況で、とりあえずここまで形に出来た。しかもやり込むと意外と面白いというのは、さすがというべきか」と、どう捉えていいのか困惑してしまいます。

(フレンドの指摘ついでに氏についても調べてみたのですが、氏はロックマンの生みの親というのが世間的な認識ですが、バイオハザードやXboxでも有名なデッドラなど、自分の知ってるゲーム、好きなゲームにも多数関わっておりおぉおぅすげぇとか思い直しました。いやぁー人間ってなんとも自分勝手ですなぁ(笑)
 他人の意見や感想なんて所詮こんなもんですから、創る側は好きに作ればいいし、受け取る側も好きなこと言えばいいと思いますよっと)

 実績コンプは、本来行けない、行ってはいけないはずのエリア、に強引に侵入し、一つ以上のハードウェアを取得しないと不可能です。
 驚きです(笑)

 実績コンプ、バグや不具合など、本作の道のりは意外とハードですが、ストーリーを追っていて「なんかコレジャナイ……」と感じている人は、もう少し我慢してみてください。
 もうちょっと我慢すれば「これもアリ……かな」くらいには思えてくるはずです。

*追記
 ボットのパーツ制作でよく足りなくなる部品「ガスケット」やら「増幅器」やらですが、以下の法則を知れば若干集めやすくなるかもしれません。
 法則ってほどでもないですが(笑)

・地面に埋まっているパーツは全て同じ物。

 という法則です。
 例えば一番高ランクのパーツが埋まっている流砂に降り立ち、適当なディグポイントでマックに掘らせたとします。ここでEターナーか、ハードウェアかの抽選が行われ、もしハードウェアの「新品のK-9バルブ」が出てきたとしたら、現在その流砂にある全てのディグポイントに埋まっているのは、Eターナーか「新品のK-9バルブ」のどちらかです。

・埋まっているパーツはロード毎にランダムで変わる。

 ロードが発生するとディグポイントが全て復活し、中身も変わります。
 流砂以外のマップに移動する、敵にやられる。などがロードの条件です。
 逆に、穴に落ちる、流砂の別のポイントにFTすると、ロードは発生しません。代わりにディグポイントも復活しません。

 この仕様を利用することで、流砂に行く→近場のポイントを掘ってみる→目当てのパーツじゃなかった→自宅へFT→流砂に行く→目当てのパーツが出た!→行けるところ全部掘る

 という過程を経ることで欲しいパーツを流砂マップ内で24、5個くらいは集めることが出来ます。
 ただ、流砂マップのロードは本作いやOneのゲームでも1、2を争うくらいの長さですし、おそらく全てのパーツが出るでしょうから数もそれなり、加えて「新品の(最高ランク)」か「頑丈な(次点ランク)」が出るかもランダムです。
 あまり過剰に期待するのもお勧めできませんが、全てのブループリントを制作する(実績には無関係、集めるだけでいい)にはこの方法も有効な手になるでしょう。

 あともう一つ。
 敵の種類(K-9型、AP-3型など)と落とすパーツの種類に区別はなさそうに感じました。ガスケットが欲しいからAP-3だけを狙うのは得策でないような気がします。

*愚痴
 犬優遇されすぎwwwww
 他のクルーが不憫に思えるくらい。

 そしてジュールちゃん。マスクは鼻までかけないと防塵の意味がないと思うのですが……。

攻略サイト

↓初見プレイ時の動き。この時はK-9が掘れる地面のマークにまったく気づいてませんでした……。


↓はいはいみんな良い子にしてね。さぁーおねーさんについてらっしゃーい!



2017年04月16日

301.Super Dungeon Bros

Super Dungeon Bros. (輸入版:北米)



↑パッケージは海外版しかありませんが、オンデマンドならローカライズ、吹き替え済みです。ぶっちゃけ英語でも問題ないくらいペラペラですけどね(逆に言えばだからこそローカライズできたともいう)。

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「スーパーダンジョンブラザーズ」のレビューです。

 とりたてて何が面白いってわけでもないんだけど、プレイする度になんとなく面白くなってくる……。曖昧だけど、なかなか秘めた味のあるローグライクアクションです。
 最近配信された「エンターザガンジョン」をめっちゃ薄味のライトにした感じ(笑)

 ちょっと面白いのは全16種類ある武器のどれもが一長一短の性能を持っていて、購入金額が高いから強いとか、一世代前の装備の上位互換とか、そういう括りではないところが興味深いです。
 ダンジョンは短く、どれも全6階構造。
 二階毎にボスが待ち受けていて、道中で得た資金をうまく活用して都度武器をアップグレードし、アイテムを補充してクリアを目指します。
 オンラインにはまったく人がいないのでほとんどソロ、たまぁ〜にオフCo-opで遊びましたが、本作はプレイヤーの知識が攻略の割合のほとんどを占めるので、本作に慣れたプレイヤーでないとco-opは逆に苦戦します。

 一周した程度ではまったく面白さは伝わらない微妙ゲーでしょうが、(デイリー)ミッションのために毎日少しずつ遊んでいると、不思議と「こんなのも悪くないぁ」と思えてくる酢漬けの漬物みたいなゲームでした。

 DLCはどれも着せ替えみたいな内容で、実績にもゲームのボリュームアップにも響かないのが残念ですね。追加ステージや追加武器が欲しいです。
 武器とヘルメットのアンロックが終わればクリア報酬であるシャードがゴミと化しますから……。

*ちょっと注意
 実績の一つにデイリーミッションをクリアする、というのがありますが、ただしくは全てのハンマーを使う、です。実績解除にあたってデイリー、ウィークリーを消化する必要はありません。
 また、ステージ攻略中ポーズ画面で見られるミッションは一覧の中から毎日ランダムで三つ選ばれ、選ばれた時にそのお題をクリアしなければ達成とはみなされません。また、ランダムなのでいつも未達成のものが選ばれるとも限りません。ミッション全クリアは時間のかかる実績となっています。

↓道中の様子。お金は大事。

↓初見時のボス戦。すごい苦戦しましたが、どのボスもパターンを持っていて、倒し方というのが存在します。慣れてくれば一捻りです。



300.The Witcher2 :Assassins of Kings

ウィッチャー2



エルフの血脈 (魔法剣士ゲラルト)



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ウィッチャー2 :王の暗殺者」と原作小説「エルフの血脈」のレビューです。

 いやー、楽しませてもらいました。
 見た目私の好きなB級洋RPGっぽいというか、実のところその通りだったのですが、演出が想像以上にドラマチックで、本当に小説の世界観がそのままゲームになったような物凄い意欲作でした。
 ウィッチャーといえばOneのウィッチャー3で有名になりましたが、2も捨てたもんではありませんよー。

 ただし。ただし、ストーリーは面白い、演出を始めクエスト解説等製作者のウィッチャー愛、ウィッチャーの世界観をきちんと理解しゲームに素直に落とし込めているのには本当に脱帽するくらい素晴らしい出来なのですが、実際のゲームの感触は、残念ながら私の愛するB級洋RPGそのままなのです。
 何かと面倒臭く、もっさりしていて、不自由かつ不親切。気になるバグもちょいちょい。

 セリフ字幕が背景と被ってまったく読めなくなるのだけは擁護のしようがありませんね。本当に残念。しかも結構頻繁。
 スキルツリー表示を経由してマップタブを開くと現在地がどこだかわからなくなったり、マップの継ぎ目で突然ミニマップがブラックアウトして現在地がわからなくなったり、ちょっとした段差のせいで攻撃が空振りになったり。引っ掛かりのせいで攻撃したつもりがステップに化けるのは仕様だと思いますが被ダメの怖い状況でこれはちょっとストレスです。たまにセリフ音声が抜けちゃったり(Aボタンでセリフ送りしないと先に進まなくなる)、エルソン殿(笑)のクエストのテキストログは何かの呪いかと思って割と肝を冷やしました(汗)
 どれも軽微な現象なので支障はありませんが。

 剣を抜くのにいちいち立ち止まり、悠長に抜いている間に先制を食らう……。また、相手が魔物か人かで使う剣を選ばなくてはならなかったり。
 クラフトや霊薬の扱いも面倒ですし、クエストも何かと入り組んでいて果てしなく面倒くさいです。

 ただ、この面倒くさい作業が本作の大きな味でもあるんですよね。
 たとえばクエストを進行させていくとメニューのクエスト進捗が逐一更新されていくんですが、これが友人ダンディリオンの筆を借りた物語調になっていて、クエストを終えた後にこれを読むのがまたたまらないんですよね。

 面倒くさいに拍車をかけるのが入り組んだクエストと知ってる前提の世界観ですね。
 メインクエストを進めるにはそのメインクエストをアクティブにして追いかけているだけでは到底成し得ず、いくつかのサブクエストをこなすうちに芋づる式に発展していったりと一筋縄ではいきませんし、突然エイダーンがどうとかヘンセルト王がなんのこっちゃって、初見じゃたぶん理解できないかもしません。丁寧に読んでいけば矛盾はないのでわかるのですが、事前に小説を読んでいた私でさえしばらくはエイダーンの王がヘンセルトで、冒頭ムービーで暗殺されたのがフォルテスト王だと思ってました(笑)

 こんだけ混乱するんだから、じゃあ小説はいらないかというとそうでもなく、小説に登場する人物の何人かはゲームでもしっかり登場し、活躍もしますし、主人公ゲラルトの人となりを認識するのにも役に立ちます。
 小説から多くの知識は持って来られないけれども、あればあったできちんと役にたつ知識です。何よりウィッチャーの世界観がより深く、より広がるので私としては是非ウィッチャーを始める前に小説を読んでおいてほしいですね。
 そしてゲームをクリアしたあとにもう一度小説を読む、と。

 とにかく初見は「ルシがパージでエボンがペリシティリウム」なのですが、一周終わってもう一度初めから見直すと驚くくらいわかりやすいです。特に最序盤のダンディリオンやゾルタンとの政治談議は初周にロッシュルートをクリアしていると、話に出てくる人物像がわかっているだけににやにやしまくりです。
 そんな感じで一周済んだら二周目も同じルートを辿っても良いくらいに奥が深く、ストーリーもドラマチックで面白いのですが、本作を攻略する上でざっくりと別れた二つのルートは、展開がまるで別物でした。どちらが良い悪いではなく、またプレイヤーの心情としてどちらを取捨選択するか、でもなく、どちらもまた「ウィッチャーの物語」らしい良いシナリオでした。
 本当、面白い。作者は分かってる。ウィッチャーとしての中立性など、全体で見れば狭いマップによくもまあこんなに押し込められたものだ。
 そもそも原作ありきのゲームって、ストーリーは完全オリジナルで、原作の展開がどう転んでも問題ないようにすごくすごくすごく無難である意味つまらない展開っていうのがセオリーなんですが、「え? ここまでやっちゃう!?」と心配になるくらい本作のストーリーははっちゃけてますよね。
 だって小説でもしっかりと描かれていた各国の王が、このゲーム内で殺されちゃうんですよ? 世界情勢が変わっちゃうんですよ? 小説にも登場したあの人が取り返しのつかないあんな仕打ちを受けるんですよ??
 小説のゲラルトの風貌とゲームのゲラルトの顔……老けたなぁwww
 3だともっと老けてるからなんかすごく歴史を感じる……。

 ゲラルトはたしかに主人公で、物語の中心にいるけれども、中心人物ではない。彼の周囲を取り巻く人物たちの群像劇が、本当に血が通っているようで活き活きとしてるんですよね。それぞれにはそれぞれの信念や思い描く未来、目的があって、それはゲラルトでさえ同じです。
 なので利害の一致で協力しつつも情勢の変化によって敵対せざるを得なかったり、裏ではゲラルトの意に反するようなことをしていたり、あるいはゲラルト自身が自身の目的のために相手の好意を蹴ることもできます。
 単なる善悪ではなく、善人だと思っていた人物が飛躍しすぎた理想のために裏でネクロマンシーだとかあくどいことやってたとか、そんな単純な構図じゃないのがとても差別化できていると思いました。また、単純な善悪の判断基準ではないので、敵対しているはずなのにこっそり助けてくれたり。
 どのサイドに立っても、この世界ならではの「筋」が通っているというか。

 一つ懸念があるとすれば、それは次回作のウィッチャー3です。個人的にとても楽しみにとっておいてあるため、動画や攻略にはほとんど触れていないのですが、広大なオープンワールド形式ということは、結論から言うとクエスト間の繋がりが弱くなる、と思うんですよね。
 本作ウィッチャー2のストーリーがどうしてこうもドラマチックかつ奥深く、ゲラルトだけでなく人々の群像劇を描き出せたかというと、それは偏によくあるレールタイプのRPGだからでもあります。だからこそクエストを達成するために別のクエストをこなしたり、重要人物と密に話し合ったり、ランドマークを抜粋して印象的なイベントを起こしたりできるんです(不可逆的な時間の経過の概念を持ち込める)。
 どこへでもいけて、どこからでも手をつけられて、自分の思うままに冒険する、自分だけのストーリー、というのはある意味プレイヤーの心理に近い自然な冒険にはなるのですが、そのデメリットとしていく先々で起こる事件が他の事件と絡み合いにくく、単発に終わってしまうという懸念を持っているわけです。
 私がイメージしてるのはフォールアウトやスカイリムみたいな感じ。
「事態の進展を待つ」なんていうクエスト目標は、他のゲームではそうそうお目にかかれません。

 さあこれをどうひっくり返してくれるのか、3になってもぐいぐい引っ張るストーリーや魅力的すぎるキャラは健在なのか、そして2でたった一度名前が出たきりだったシリは可愛いのか!? すっごく楽しみです。

 あ、そうそう。小説を読み終えた後に本作をプレイしたのですが、最初のうちはやっぱり表記の揺れが気になりました。どうしようもないことなんですけどね。小説では「ポンタル渓谷」が、ゲームでは「ポンタ―谷」になっていたり、「ニルフガルド」が「ニルフガード」、「テメリア」がゲームパッケージ裏では「テメリーエン」になっててさすがにそれは、と思いましたがゲーム中では「テメリア」になっててちょっと安心。最初はゲーム内登場人物「シレ」が小説の登場人物「シリ」のことかと思ってました(笑)
 そんな違いを楽しみながら、じっくりやりましょう。
 個人的には小説版の翻訳の方が語呂や語感も意識した翻訳になっていて気に入っています。ゲーム中に「ニルフガード」の文字が出てきたら頭の中で「ニルフガルド」に直して読んだりしてました。
 原作者がポーランド人だからなのかどうなのか、ゲーム中の人々の英語の話し方にもかなり訛りがあって(しかもその訛り方にも地方や種族で少しずつ違う。ヘンセルト王やドワーフはかなり訛りが強めだったり)そんなこだわりも魅力を存分に引き出していると感じました。素敵。

 おまけモードであるはずのアリーナも、世界観を大事にしたストーリー仕立てになってて、なんとチュートリアルと繋がってる構造には驚きました。
 もうね、すごく好き!

 ウィッチャー3で本当にこの作品の知名度上がったと思うので、「エルフの血脈」以外のウィッチャーシリーズ作が翻訳されるのもあと一押しだと思うのよね。読みたいなぁ。

攻略サイト

↓360とは思えない超美麗オープニングムービー。
残念ながら綺麗なのはこのムービーだけです。

↓なんとなく街散策。めっちゃグダってますが本人は動画を意識してゲームの紹介をしているつもりです……。

↓良い雰囲気になっていたところをぶち壊されたあげく、とんでもない罰当たりなことを言い出す盗賊たちに、口をあんぐりさせたトリスが可愛い。


・追記
 実際あとで小説を眺め返してみたら小説版の翻訳が全然頭に入ってなかった罠……。
 目と耳と指を刺激するゲームの方が、印象の刷り込みは当然小説よりも強いので、もしかしたらゲームを先にやってから小説読んだ方がすんなり頭に入るかもしれませんね。

 やはり作者や書かれたお国柄を慮ってか、小説の翻訳はrやlを強く発音する訛りの強い英語を意識して日本語訳されていますね。

 (小説) → (ゲーム)
キードヴェン → ケイドウェン
テメリーエン → テメリア
エーディルン → エイダーン
ポンタル → ポンター
オクセンフルト → オクセンフート
ニルフガルド → ニルフガード
他多数。

 そういった意味ではゲーム内の登場人物が訛りのある英語でしゃべっているのに対しローカライズがインターナショナルな英語読みの翻訳というのは、国や作者に配慮して翻訳された小説版と比べていささか質が劣るとも捉えられますが、あんまりラ行が出てくるのも目がくどくなるので、すっきりした英語読みの方が良いという向きもあります。
 ただ、ゲーム内の文章の流れはとても自然で、ちゃんと人の手と目を介して注意深く翻訳されていることはわかります。不満はありません。

 多くの人にとってはどうでもいい(混乱するのでどうでもよくはないが)話ですが、恥ずかしくなったので追記させてもらいました。


299.The Treasures of Montezuma4

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「トレジャーオブモンテズマ4」のレビューです。

 本作を一言でいうならば、爽快系3マッチパズルでしょうか。
 初めのうちはできることの少ない地味な3マッチなのですが、ステージをクリアすることでもらえるコインでトーテムをアップグレードしたり、ボーナスアイテムを解禁したりする成長要素が私を燃えさせました(笑)

 ボーナスやトーテムをアップグレードすることでどんどん画面が派手になり、トークンも次々に壊れていくので非常に気持ちいいのです。

 一見するとよくあるスマホゲーのようにも見えますが、本作には手数制限がなく、シャッフルも任意のタイミングで好きなだけ使うことができます。
 その代わり短い制限時間が設けてあり、その中でどれだけこなせるかを競うものとなります。

 本作にボスはいませんがラスボスはいて、それが妙に熱かったですね。ここまでの成長具合にも拠りますがバランスが絶妙で一進一退の攻防でした。

 ただし、ここまで来ると一通りのことが終わってしまい、途端に気だるくなってしまうのは残念なところでしょうか。
 全てのアップグレードが済んでしまうと盤面はほぼ常に破壊状態となり、爆風を掻い潜ってマッチを探さねばなりません。ちょっと指が追い付かないところがあって、せっかくマッチを見つけてもあっという間に他の場所で起きた崩落に巻き込まれて崩れることもザラです。
 そうなるとたくさんあるパズルモード(動き回る蛙を採ったり、砂に埋もれた財宝を探したり、コインを下に落としたり)もどれも変わり映えしなくなってしまうのです(トーテムアビリティが非常に強力なので、モード毎の目的に沿ってマッチを探すよりは、積極的にトーテムアビリティを狙い、彼らに暴れてもらう方がはるかにうまくいってしまうので)。
 おそらく細く長く、遊び続けてもらいたいという狙いなのでしょうが、パズルモードの実績が鬼畜でした。ここに来てガチャかよっていう。
 リアルマネーのことではないし、最後のステージをクリアして目当てのコレクションが出なかったらいったん終了して起動しなおせば、アイテムも変わるんですけどね(笑)

 中毒性は高く、とても爽快で気持ちの良いゲームでしたが、慣れるまでは画面が見辛いこと(いやにデザインが凝っていて、ごてごてしてて咄嗟に見分けがつかないこと、あと言わずもがなエフェクトが派手すぎてわけがわからなくなる)、ちょっと画面が小さいことなどが小さなストレスになります。
 中盤を過ぎてから変化に乏しく、トロフィーコンプはなかなかに根気のいる作業になるでしょう。
 PS4でもできるようですが、スピードと正確性が命な面がありますのでVitaのタッチパッドでは快適でしたが、パッド操作だとどうなるのでしょうか。

 言い忘れていましたが未ローカライズです。体験版があるのでまずはそちらからどうぞ。
 意外とお値段が安いのが良心的です(笑)


298.Color Guardians

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「カラーガーディアン」のレビューです。
 SS見た感じリズムゲーっぽくて(XBLAのランナー2みたいな感じ)、なんか無性に走りたくなったので買ってみました(笑)

 総評として、私の勘は間違ってはいなかったのですが、やり込むほどに練り込みの甘さが露呈して、嫌気が差してしまいましたとさ。

 本作は自動で走るキャラの、走るレーンと色を変えながら障害を突破し、ゴールを目指すアクションゲームです。
 ゴールするだけならば道中のアイテムを無視したり、パーフェクトタイミングで取る必要はないのでかなり簡単ですが、それだと味気ないです。
 やはりリズムゲーらしく、アイテムをとる直前にボタンを押してパーフェクトで取り、全てのアイテムを取得してゴールしたいものです。
 それを目指すと途端に指が忙しくなりなかなかにアクションさせてくれるのですが、アマチュアっぽい練り込みの甘さがここで見えてくるんですよね。

 まず、リズム系のタイミングアクションでありながらタイミングを取るモチベーションに欠けています。具体的に言えばアイテムを取った時の効果音が別にBGMなどとリンクしていたりなどせず、ただの取得効果音で完結しています。
 また、色を奪われた世界観ということで、アイテムを連続で取得していくことでステージに色が戻ってくるという仕掛けがあるのですが、これも言葉以上の感動は得られず、がっかりな広がり方なんですよね。

 リズム系のゲームでありながら、アイテムを取るタイミング、取得モーションが曖昧です。
 彼我の距離がどのタイミングでボタンを押すか、などというシビアな考え方はいらずボタン連打してれば勝手にパーフェクトになります。つまり指が堪えられるならずっと連打してれば全てのアイテムはパーフェクトタイミングで取れるわけです。その連打の間隔も甘めで問題ありません。……リズム?

 赤、青、黄色の玉を、自キャラをその色に変えながら臨機応変に次々に取得していくのが楽しい本作ですが、後半のステージに進むにつれて次第に超反応を求めるようになってきます。
 具体的にはほぼ最速で一番上のレーンと一番下のレーンを往復しつつ、三つの色をごく短時間で何度も切り替えなければならなくなります。
 左親指も右親指もほぼ連打状態で、とてもリズムゲーとは言えなくなりました。本編であればまだなんとかなるのですが、おまけステージは最初から殺しに来ていて、頭では構成がわかっていても指が追い付かないことが多々あります。

 攻略には関係ありませんが、本作にはランキング機能があります。
 そしてスコアを稼ぐのに必須となる行動が……連打です。
 色を切り替えることでわずかばかりのスコアが入ります。レーンを変えることでわずかばかりのスコアが入ります。
 つまり、ランキング上位を目指すならば、暇さえあれば両指を死に物狂いで連打しろということです。

 もしかしたら本作はリズムゲーという枠には収まらないただのアクションゲームなのかもしれませんが、リズムゲーとして捉えていた私には、リズムもくそもない指の限界に挑戦する連打ゲーに嫌気が差して全ステージパーフェクトクリアは投げてしまいました。
 それに加えて本作、バグや不具合も非常に多いのです。

・ステージ選択からワールド選択に戻るとBGMが消える。
・変なタイミングでジャンプしたり引っかかったりするとキャラがそのモーションのまま固まったり、操作不能になったりします。
・ロードがとても長いです。オプション画面を呼び出すのにもロードがいるって何それ(笑)
・しばらく遊んでいると音が壊れました。びっくりする上に心臓に悪い音です。
・追い打ちとして頻繁にエラー落ちします。

 本作の制作会社はゲーム制作理念として「子供から老人まで楽しめる」を標榜していますが、本作を見る限りどの年齢層も楽しめないんじゃないかと……。
 そんな感じで終始いらいらしながら遊んでいました。
 唯一褒める点があるとすれば、それはトロフィーでしょうか。
 あえてアイテムをまったく取らずにクリアするとか、ちょっとした機転を利かした縛りプレイなどが多く、違った見方でプレイできました。
 また、トロフィーコンプにはボタンを連打しつつのパーフェクトクリアは数回でいいし、隠しステージは出現させるだけでいいので、その辺も楽でしたね。
 というわけで死んだ目でプラチナとってすぐに削除しました。

・追記
 似たようなゲームに「POLARA」があるのですが、密かに狙ってます(笑) 遊んだことのある方はちょっとした感想を教えてもらえると嬉しいのですが……。


2017年03月26日

297.Thomas Was Alone

 アローン繋がりでもう一つ。
 おはようございます。あるへです。
 続けて「トーマス ワズ アローン」のレビューです。

 ジャンルはパズル系ジャンプアクション。
 こちらもボリューム自体は少なめですが、ゲームとしてはとても面白かったです。

 見た目も操作もルールも至ってシンプルです。
 何種類かの長方形を操ってゴールに導くだけです。
 長方形はマリオみたな挙動で動かすことができ、縦に長い黄色の長方形なら大ジャンプが、大きな水色の正方形なら水に浮くことができます。
 このような特徴をもつ長方形たちをうまく利用して、彼らをそれぞれのゴールへと導いていくのです。

 シビアすぎず、でも簡単すぎでもない。時には閃きも必要だけど、やっぱり難しくはない。そんな程よい難易度でサクサク進め、後ろでひっきりなしにしゃべっているナレーションも、英語なのでぶっちゃけ意味不明ですが、ある意味一種のBGMとしてその声音はとても心地よいです、不思議と(笑)
 そして更にその後ろできちんとしたBGMが鳴り響いているのですが、このBGMが物凄く癒されるんですよね。

 総じて、本作のストア解説にある通り、ゲーム難度、ナレーション、BGMがかなり心地よく混じり合った素晴らしい作品と化しています。
 夢中になって遊んでしまいました。
 ネバロ(笑)と同じく実績はさくさくぽんぽんどっかり入ってきますのでとてもおいしいです。フレンド内実績レース順位(ほらあの+510さんが先にいます。ていうアレ)を数日で塗り替えてしまいました。

 ネイティブ英語を聞き取れる耳があったなら、本作をもっと楽しめたかもしれませんが、そうでなくとも大変満足でき、不思議な感覚に陥りました。
 これもお勧めしたいです。




296.Never Alone

 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ネバーアローン」のレビューです。

 アラスカ、イヌイットの伝承をもとにしたお話ということで雰囲気ゲーを予想していました。いつかやってみたいタイトルでしたが、こないだ本編がセールされたので(今ならまだぎりぎりやってるかも?)DLCと一緒に購入、さっそく妹とオフラインで遊びました。
 ちなみにDLCは値引きなしだったので本編よりDLCの方が高くつきました(笑)

 うーーーーーん……。

 悪くない。悪くないぞ。
 でも惜しいかなぁー。

 ボリュームは非常に少ないですが、そこは特に残念には思っていません。横スクロールの雰囲気アクションゲーならこんなもんかな、という感じ。むしろアンラベルはかなりのボリュームでした。

 雰囲気もやはり良かったです。物語自体の展開はスピリチュアルなイヌピアットの伝承をそのまま可視化したようなものなのでやや意味不明ですが、その道中でアンロックされる生(なま)の資料がやはり素晴らしいです。
 世界一過酷な地で文化を受け継いできた本物の人々が当時の様子を語ってくれるのですが、これが実に良い。文化的な価値観も共感しやすく親近感を持てますね。

 本作はこのようなイヌピアットの伝統を忠実に表現しようとした、かなり異色なゲームで、そのコンセプト自体は成功しています。

 ただし、個人的には相当真面目すぎるんですよね(汗)

 彼らの文化を大事にし、彼らの物語を壊さないように慎重に慎重に扱った結果、イヌピアットの文化や伝統、物語を紹介するゲームとしてはこの上の無い素晴らしいものに仕上がっているのですが、「心の余裕」とでもいうのか、遊びがないので、ゲームとしては実はそれほどのものでもないのがもったいないところです。

 妹とオフラインプレイで、私が少女、妹が狐で遊んだのですが、二時間半ほどで一周終わってしまいました。あとで私が一個だけ取り逃した文化的背景を回収し、今までの分をすべて視聴すればコンプです。
 実績はめっちゃおいしいですねw

 最後に一つだけ。狐のままでいてくれ、頼む……。




2017年03月19日

295.World of Van Helsing :Deathtrap

World of Van Helsing Deathtrap.png
 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「ワールドオブヴァンヘルシング:デストラップ」のレビューです。

 後述するある理由のお陰で長期間遊び続けたのですが、実績コンプした後もなんだか気になってしまって……、ふんぎりがつくまで無駄に遊び続けました。

 本作はタワーディフェンスとA-RPGを組み合わせたものとなり、さらにハクスラ要素も持っています。
 TDもハクスラも、たとえばプレイヤーの自由にトラップを設置して「壁」を作ったり、それを置いたり売ったりを繰り返して「お手玉」する、などという尖ったTDは出来ません。トラップはビルドを組むキャラの育成の関係上種類はとても多いですが、どれも基本を押さえた割とシンプルなタワーディフェンス要素となっています。
 一方でハクスラの方も、たとえば「Path oh Exile」のようなゲーム仕様を根底から覆すようなもの(ヘルスとマナの役割を入れ替えたり、特定の敵種族に強くなる代わりに別の種族に弱くなる、等)は存在せず、各基本ステータスを伸ばす数字のより高い物を目指す感じです。そのため人によって色は違っても極端なビルドはなく、レベルが高ければどんな育て方でもきちんと戦えるようになります。
 ハクスラが好きな人、というのは一方でキャラビルドが好きな人、とも同義と言えますので、捻った育成が出来ないのはやや残念かもしれませんが。

 と、このようにTDもハクスラもそこだけ見るとかなりシンプルで自由度はそれほどないようにも見えるのですが、実際の攻略でこの二つを両立して立ち回ってみると、実に面白い。楽しいんですよね、これが。

 ただ、個人的には難点もいくつかあります。

 一つ、未翻訳なこと。
 安心してください。どこかの有志がサイトにてストーリーの翻訳をしてくれたみたいですよ。

 一つ、文字が小さいこと。
 文字がやたらと小さいです。慣れれば「文字列の形」みたいな雰囲気で十分察せられるのですが(大抵よく目を通すのはアイテムのランダムオプションやキャラスキル、トラップ性能くらいですからね。アルファベットを用いた数式みたいなものです)、ちょっと疲れてたり部屋が暗かったりするとよく見えないことも……。最近のゲームが標準にしているテレビのサイズが大きめで、きっと私の使ってるモニターはもう小さい基準なんだろうな……。23型とかそんなだった気がする。

 ゲームバランスはかなりよく練れていると思いました。序盤から中盤にかけてはキャラが強くないのでしっかりTDしないといけません。終盤はトラップに制約がかかり、キャラもしっかり強化して立ち居回らなければなりません。この辺、純粋にTDしたい人には嫌がられるかもしれませんが、ハイブリッドこそが本作の味なので。
 そして最終盤、特にエンドレスにおいてはトラップの性能が頭打ちになるので、今度はしっかりとアイテムを掘って、強化し、どれだけキャラを鍛えたかが戦果に影響してきます。TDというより防衛アクションゲームになってきます。
 とはいうものの、最後までしっかりトラップも役に立つ、というか無いと無理レベルですのでこのTDとハクスラの両立は自由度を多少犠牲にした甲斐は十分にあったと見られます。

 ビルドに関してはこのように文句がないのですが、最後の難点。

 一つ、アイテム掘りが面倒くさいこと。
 トラップの性能を強化するためにはステージをクリアして星を集めなければならず、どのステージも一筋縄ではいかないのでとてもとても楽しめました。こうしてトラップのリサーチポイントを最大限確保したら、さあ次はお待ちかね、アイテムを掘りまくって全身をゴッドライクランクのアイテムで紫色に染め上げるのですが、TDという戦闘システムの関係上、一戦が非常に長いです。そしてトラップルートが完成してしまえばあとは見てるだけで済むことがほとんどなので、wave1、2辺りを越してしまえば残りのwaveは見てるだけの消化試合です。
 そしてここまでしてキャラを強化し、トラップの効率性をあげる目的は単純にエンドレスモードで何waveまでいけるかを証明するためだけにあるのですが、そのエンドレスモードが果てしなくだるいです。
 だるさの原因は報酬がしょぼい、の一言に尽きます。
 100wave凌ごうが200wave凌ごうがもらえる宝箱は一つだけ、お金が少々とアイテムが少々です。すごい頑張ったのに中レアの黄色アイテムばっかりということもザラです。

 つまり、ゲームの進行に沿っている間はとんでもなく楽しく、中毒性があり、いろんな組み合わせを試してみたくなってしょうがなくなるのですが、そこを過ぎて更に上を目指す段階になって、作業が本当にただの作業でしかなくなってしまうんですよね。
 せめて、エンドレスモードが10wave毎に宝箱一個追加、とかいう仕様だったら。50wave毎に出現するアイテムのレアリティが一段階上がる、とかいう仕様だったら、いつまででも遊び続けていられたのですが……。

 さて、本題です。
 どうして私が長期間、このゲームを遊び続けられたのか。
 その大きなきっかけは、攻略サイトを作っていたから、の一言に尽きるでしょう。
 本作はドマイナーなゲームでして、日本はおろか、海外ですらまともな攻略サイトがないのです。
 これが奇跡その1。
 私が本作の攻略に本腰を入れ始めたその頃、ちょうどキラーインスティクトの実績解除作業の、目安にしていた1クールが終わったところでした。
 同時に、同時攻略中だったレッドデッドリデンプションに見切りをつけたところでもありました。
 これが奇跡その2。
 本ブログにて「自分も同じゲームを現在プレイしている。英語がわからないので解説をしてほしい」というメッセージをもらったこと。
 これが奇跡その3。
 誰からもらった、というよりは私が一歩踏み出すためのきっかけとしてありがたいメッセージでした。
 そして最後に、私自身がこのゲームが好きで、まとめるべきデータがあるのにどこにも攻略サイトがなく知名度が低すぎるのが残念だと思っていたこと。普通に遊んでクリアできるものや一本道ゲー、収集物の位置がゲーム内でわかるようなものは、別にまとめるべきデータではないです。
 更に、私が何かしらの、たとえばwikiなどのゲーム攻略に関わってみたいと思っていたこと(私にはwikiをいじくる知識はありません。ここでのデータも表を導入できればもっと見やすく、簡単に作れたかもしれませんが、私にはやり方がわからず、見出しや引用のコマンドもコピペで手打ちで仕上げました……)

 これらの奇跡が結びつき、今回の運びとなったのでした。
 その過程でご協力くださった方にも感謝を申し上げます。d(笑)

 ま、そんなわけで、攻略情報をまとめるのはとても楽しかったですが、同時にすんごい疲れました。
 当分の間はただのプレイヤーに戻ろうと思います。

 レビューはこのへんで。あとは↓のリンクで、私の心血を注いだ記事の出来栄えから、私の本作に対する評価を察してくださいw
 この記事が、今後いつか本作をプレイする人の役に立てたのなら本望です。

 WoVH:DT データベース



2017年02月23日

293.Red Dead Redemption

レッド・デッド・リデンプション【CEROレーティング「Z」】



レッド・デッド・リデンプション:アンデッド・ナイトメア【CEROレーティング「Z」】



 おはようございます。あるへです。
 本日はこちら「レッドデッドリデンプション」のレビューです。

 本編シングルプレイだけだったら5点満点中、4点あげてもよかったけど。
 何がマイナス1点かって、そりゃロックスター十八番の超もたつき操作性以外にあるめぇ。
 たとえばキャラは方向転換をするときに大きく弧を描きながら体の向きを変えるので、足元の箱を開けたいのにその周りをぐるぐる回ったり、壁や階段に引っかかったり、ええもう苛つきますよ。

 とはいえその辺の小さな欠陥は、やはりロックスターらしい軽妙で味のある問答や、希少な世界観設定で吹き飛ぶことでしょう。
 ストーリーはGTA4と似た感じで、主人公には大きな目的があるものの、手掛かりがないも等しいので、行く先々で理不尽な要求に振り回され、体の良い(ていのいい、漢字合ってるかな)雑用としてこき使われます。
 まさにロックスター製「お遣い」なんですが、馬に乗って牛を追ったり、レースさせられたり、なんだか本筋とは全然関係ないようなミッションがストーリーミッションとして設定されているところがすごく「らしい」。
 ロックスターらしいし、西部ガンマンの開放的な時代感らしいし、オープンワールドらしい。

 GTAシリーズよりも褒める点があるとすれば、それは動物の存在ですね。無駄に多い人間だけでなく、荒野には実にたくさんの動物が生息していて、次の街に行くためにのんびり馬を走らせながら狩りをするのはとても癒されます。
 実際には名声だか名誉だかの影響で、ひっきりなしに「困ってる人」が問題を押し付けてくるし、荒野という割には人の往来が激しくて、道を外れないとあんまりのんびりできないんですけど。
 もう少し孤独感を味わいたかったな。

 ゲーム内必殺技デッドアイの成長の仕方もなんだか感慨深かったです。
 ストーリーを進めるにつれて、このデッドアイの仕様が追加されていき使い勝手が向上するのですが、最初は周囲の時間を遅くするだけだったのが、ターゲットにロックオンできたり、ターゲットを選んで自分で印をつけられるようになったり。
 特に、伝説の名手ランドン・リケッツじいさんに稽古をつけてもらってデッドアイの性能が開花するのが印象深かったです。
 それまでは目についた敵も味方もあらゆるものを撃ち尽くす、っていう仕様だったのが、自分でターゲットに狙いをつけて、正確に必要なものを必要な分だけ撃ち抜けるようになったのが、成長を印象付けてくれました。

 ストーリー展開については、「ああ、ロックスターだな」という感じ。希望を持たせてくれた分、終盤の展開にはショックを受けましたが、最後に落とし前を付けさせてくれたので溜飲は下がりました。

 酷いのはマルチプレイとDLC:アンデッドナイトメア(以下UN)です。
 特にUNはもしかしたら後述のプレイ環境が影響している可能性がぷんぷん臭いますが、こいつのお陰でモチベーションはがりがりと削られていきました。

 まず本編のマルチプレイはパブリックモードだと常にラグが発生し(自分一人しかいなくても)、その9割はバグだかチートに侵されたマップでした。
 このバグだかチートだかに侵されていると、そのマップにはあらゆるNPCが存在できなくなります。
 どういうことかというと、街に人がいなくなる(人間NPC)、街道の往来も当然なくなる、野生動物もいない、そして花も摘めない。口笛を吹いても馬が来ない!
 極めつけはギャングなどの敵対NPCもいなくなる、ということです。
 盗賊の隠れ家に行くと、範囲に足を踏み入れた瞬間クリアリザルトが表示されて経験値が入ります。
 敵は倒していないのでクリアボーナスと難易度ボーナスのみが入ります。
 しかし、敵を全滅させる以外の小目的が設定されていた場合(ギャップトゥース・ブリッジでトロッコを押せ、など)、その案内が消滅して詰みます。
 いまさら人を集めるのは不可能なので、せめて一人でできる実績だけでもと思っていましたが、これらの要因によりマルチプレイを経る実績はどんなに簡単なものでも諦めました。
 実績のロックの前に病院への扉のロックが解除されてしまいます。

 あ、ちなみにまだ人はいました。
 あまり良い意味で人がいた、とは言えませんが。

 そしてアンデッドナイトメア。
 私はRDR本編をGonD購入、UNをパッケージ版で購入し、なおかつ双方をXboxOneの後方互換機能でプレイしました。
 このプレイ環境が影響しているのか測りかねますが、バグの嵐でした。

 ゲッダン(壁を抜けたり、キャラグラが崩れたり、異世界へ飛んだり)も酷いですが、個人的に許せなかったのが以下の二点です。

・ゾンビをその場で倒しまくると透明人間が湧くようになる。
 薄暗い雰囲気で意味不明な叫びをあげているゾンビが徘徊する不気味な世界、というのが本DLCのコンセプトです。
 なのにゾンビを倒し過ぎるとロードやリポップがおかしくなるのか、服を着た透明人間が出現し始めます。こうなると、どこへいってもNPCは全て服をきた透明人間となり世界観は突如として奇妙で平和なものへと変貌します。
 ゾンビとして湧いたはずのNPCはゾンビ設定が内部でロードされずに、ごく普通の街の住人として振る舞うようになります。
 荒野を走っていると突然向こうの丘にゾンビの集団が……と思ったら服を着た透明人間が集団で徘徊しているだけで、近づくと気さくに挨拶してくるではありませんか……。

 さらに厄介なのは、透明人間なので頭部判定が曖昧になります。
 極端にいうとヘッドショットできなくなります。ゾンビは硬く、ヘッドショットでないと弾薬を浪費するというのに。
 この状態では街救出ミッションでは殺したはずのゾンビがいつの間にか村人になっており、このDLCではありえない「物陰にカバーしながら銃を撃って」きます。
 ミニマップに排除すべきミッション目標として表示されているので撃ち殺しますが、撃つと周囲の味方から裏切ったと見なされ、攻撃されます。

 この症状は幸いなことにセーブデータをロードすることで治ります。設置武器で500キルなどの実績を狙って、エル・プレシディオで大砲をぶっ放しているとよくわかります。
 おそらく透明人間化すると、キルした敵としてはカウントしなくなるので、なんとかしてオートセーブを挟み、ロードし直したいところです。

・セーブできない。
 厳しい制約です。
 手動セーブが実質不可能になりました。
 幸いオートセーブはきちんと作用するので、クリアはできましたが、ベッドに行ってセーブ項目を選択後、スロットを選ぶと暗転したままロードが進まなくなるのです。
 ホーム画面に戻ってゲームを起動しなおすしかなくなるのですが、「暗転後」にセーブされるので、暗転中から進まないということはセーブできていない、ということです。
 幸い、ストーリー展開などで取り逃し要素はないのでオートセーブのみでいけましたが、心臓に悪いです。
 UNはストーリークリアまで血統書が一枚(日本語版の何かの特典)ですが、追加された黙示録の馬が便利なので軍馬の血統書はあまり使いたくありません。
 そして黙示録の馬の血統書はストーリー終盤まで使えません。
 UN専用の新チャレンジの更新や、行方不明人のミッション受諾、ストーリーミッションなどでオートセーブを発生させなんとか繋ぎました。

 そして最後のハードパンチ。
 パッチやらなにやら云々かんぬん、よくわかんない様々な要素が喧嘩しあって、本編、UNともにトマホークチャレンジ、榴弾チャレンジが出現しませんでした。
 UNではパイクズ・ベイスンに敵が出ないので「古風なミサイル」実績も辞めました。もちろん、本編ではトマホークも榴弾ライフルも使えません。

 もうやりたくない。
 UNディスクでマルチプレイするか?
 UNディスクでマルチプレイを選択すると暗転したままロードが終わらないんだよね。
 本編マルチプレイ中、アウトフィッター画面に入ると、やっぱりロードが終わらないんだよね。つまりレッドとジョッシュの実績も無理ってこった。

 金返せって気分でした。
 本編シングルストーリーだけが楽しかったです。他は全て存在を忘れてください。
 Xbox360でプレイすれば、UNのバグは収まるかもしれませんが、マルチプレイについては変わらないんじゃないかというのが私の見解です。
(Amazonレビューを見る限り、バグについて触れている人はいないので、透明人間や手動セーブ不可現象はやっぱり後方互換が悪さしてると思います。可能なら360で遊ぶべきかな)

攻略サイト

↓ホントこの頃が一番楽しかった。美しい思い出。



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