世の中には人によってある特定の食品や物質に過敏な人がいる。
例えば、花粉症やハウスダスト、卵白、牛乳、グルテン、コーヒー、お酒など普通の飲食物に対して、
体が拒否反応を示すなどがある。
私もそうだが過去にカフェイン過敏症になったことがある。
カフェインはコーヒーや緑茶、紅茶、チョコレート、栄養ドリンクなどに含まれているが、
摂取して30分もしないうちに、手に冷や汗をかき、気分的に緊張感やぐわい悪さがひどくなる症状、
下痢、吐き気、嘔吐、不安感などが、長いと1日も続くことがあった。
その際は食中毒ではと思ったが、食中毒は一般に熱がでるが熱はでない。
いったいなぜそのようになるのかを調べたら、20年ほど前に購入した脳科学の本に記載されていた。
カフェイン過敏症の人と同様な症状を呈することが記載されており、睡眠障害や嘔吐や吐き気、動悸、
下痢、腹痛、緊張感、不安感、ぐわいわるさ、恐怖心、うつ症状なども呈することが記載されていた。
そのメカニズムは、人の体でも胃腸と脳にはコレチストキニンというホルモンがあり、
胃腸では胆のうを収縮させたり、膵臓から膵液を分泌させたりする働きを担う。
コレチストキニン:以下CCKと呼ぶ。にはCCK A型受容体とCCK B型受容体ががあり、
B型が興奮すると上記のような症状を呈することが動物実験でわかったとのことだった。
脳の部位でもB型受容体が多いのは大脳皮質、偏桃体、海馬など自己防衛本能をつかさどる部位である。
自己防衛本能の脳が過剰に働くと、物事に敏感になり不安感や緊張感、恐怖感、痛みに敏感にりやすい。
これらの自己防衛脳は視床下部など自律神経や脳幹などの生命維持機構の中枢とも神経連絡があり、
自律神経症状を呈すると同時に副腎皮質ホルモンの分泌を促進し更に脳が興奮状態となり悪循環を呈することがある。
CCK B型受容体が興奮する機序は、カフェインの摂取で胃腸からカフェインが吸収され血液に入り込み、
それが血液の循環で脳の上記部分の達し、アデノシンA2受容体に結合し、アデノシン受容体の働きを阻害し、
その信号がCCK B受容体を活性化して、脳が緊急事態だと誤った判断をした結果、
過剰興奮し気分の悪さや不快な自律神経症状を呈するということだ。
また、不安障害、パニック障害、うつ病の人はカフェインに敏感でありそれが原因で脳の延髄上部になる青斑核という
ノルアドレナリン作動性神経核の過剰興奮で恐怖感や緊張感が強く出てしまうことが報告されている。
これはごく普通な健康な人でもカフェインの取りすぎで上記の症状を呈することは報告されている。
もちろん個人差があり上記の病気の人でもカフェイン摂取で全く問題ない人もいるので、絶対やめるべきとは言えない。
カフェインに過敏でない人は、摂取でノルアドレナリンやドーパミンなどなど元気が出る物質が分泌されて
気分が上向くため、
私の言うことを信用できないと思うだろう。
自分が現在カフェインの過敏症なのかどうかは、コーヒーなどのカフェイン飲料を摂取して、30分もたてば、
体や気分に異変が起きてくるのでわかるはずだ。
普通の缶コーヒーには平均150mgのカフェインが含まれているといわれている。
一方でカフェイン過敏症での感応濃度は30mg程度といわれているので、
缶コーヒー1缶の半分程度を飲んで様子を見ればカフェイン過敏かは自分でもわかる。
私は過去にカフェイン過敏症であったが、現在は体調が良いときは缶コーヒーなどのカフェイン飲料を飲んでも体調が悪い時以外は体に異変はおきない。
しかし、体調が悪い時やストレスが重なった時に缶コーヒーなどを飲むと、吐き気や下痢、嘔吐、手に冷や汗をかいたり、緊張感にさいなまれたりするすることがあり、長いと1日程度も続く。
私が言いたいことは、自分の体調不良がカフェインであることに気が付かないことで、
それが原因で更に体調不良や仕事や生活上の不都合にならないようにということを言いたい。
人の人生にはストレスの波があり、それは仕事や家庭が原因で上下し体調にも影響していると思う。
その中で体調不良が続く原因は実はいままで習慣で飲んでいたコーヒーだったりチョコレートだったりする
可能性がありそのことに気づき役立ててもらえればと思う。
カフェインには半減期(血液の中での濃度が半分になる時間)があり、半減期が8時間程度だといわれている。
なので、カフェインに敏感な私は大切な会議や客先での折衝がある際には、
カフェイン飲料はご遠慮させてさせてもらっている。
しかし、人それぞれ体質によって、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲むことで、脳が覚醒し、
活力が出て元気に仕事ができる人もいる。
それはカフェインの摂取で青斑核のような不安や緊張の神経核よりも、
前頭葉などの部分でノルアドレナリンやドーパミンが分泌される体質の人であろう。
一般に覚せい剤を使用すると多幸感と興奮性の快感が生じるといわれているが、
人によっては青斑核など脳の深い部分全体が過剰興奮し著しいぐわい悪さと恐怖感に襲われ死に至ることもあるといわれている。
押尾の薬物でホステスが死亡した事件などはこのような、体質に合わない薬物摂取によると考えられる。
このように人それぞれ体質や体の状態によって作用が異なることは覚えておく必要がある。
だから最近病院などに行くと、薬を飲んで気分が悪くなったことがないかとか、アレルギーを起こしたことがないかなど、
初診の際に記入用紙に記載を求められたり、お薬手帳の持参を求められたりで、
他の病院からもらっている薬との相性や重複など副作用が強くでないかなどチェックされているのだ。
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