1,アミンとは:
神経での情報伝達、命令を行う物質。
腸から吸収されたタンパク質が体内酵素で分解されペプチドとなり、
ペプチドが更に体内酵素の働きや代謝で分解され、アミノ酸となる。
これが更に体内酵素やビタミンなどで分解されたものがアミンである。
主に脳内での神経のシナプス間隙中で情報伝達する役目を果たし
アミンの生成には様々なビタミンやミネラルやタンパク質が必要であり、食事などで補う必要がある。
代表的なアミンとしてドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンなどがある。
2,セロトニン:
B1からB9神経で分泌され、心自体の安定に関係する。また、血液にも存在する。
セロトニン作動性神経も複数のサブタイプが存在し、作用が逆の場合がある。
一般にセロトニンの量が減少したり、セロトニン作動性神経の不活性は衝動的、
自殺、攻撃性、気分障害、を引き起こすといわれている。
また、うつ病、強迫神経症、パニック障害、不安症などに関係しているとされる。
睡眠に関してはセロトニンが脳内に多いとノンレム睡眠が多く、深い眠りができ夢の量が少なく、
逆に量が減少してくると、レム睡眠が多くなり。浅い眠りが増え夢も多く見るようになるといわれている。
セロトニンは食欲にも関係する。鬱病の人がある種の抗鬱剤を使用すると脳内のセロトニンが増加し、
うつ症状が改善するが食欲増進を訴える者が多い
これは、セロトニンが摂食中枢を刺激するためと考えられる
セロトニンの減少は鬱病、不安症、心配性で敏感、拒絶、恐怖を生じさせる。
循環器系では血管壁を収縮させて、血圧を上げる。
セロトニンの受容体は1〜7まで存在するといわれている。
S-1Aにセロトニンが結合すると忍耐力や活力が増す。
S-2Aでは鬱病となる。
S-2Cでは満腹感が得られる。
抗うつ剤でセロトニンに作用するタイプの薬は、2Aと2Cのセロトニン量を増やすため、
鬱症状は改善されるが、いくら食べても満腹感が得られず、太ってしまう。
1Aでセロトニンが減少すると衝動的で暴力的でまた、憂鬱となる。
つまり、自制心がなくなるといわれている。
エストロゲン(女性ホルモン)が減少すると、セロトニン1A受容体の数が減少して、衝動的で攻撃的になるといわれている。
女性が減量などを行うと、エストロゲン生成に必要な体脂肪が減少し、
セロトニン1A受容体が減少し、攻撃的で衝動的になるとの研究成果がある。
セロトニン合成阻害剤(パラクロロフエニルアラニン:PCA)を与えるとセロトニン量が減少し眠らなくなり、眠りについてすぐレム睡眠が起こる研究結果がある。
2受容体を阻害する薬品を用いると、ノンレム睡眠が増えるとされる。
1A刺激またはにSSRI(選択的セロトニン阻害剤):により、脳内のセロトニンを増やすと元気が良くなり覚醒するといわれている。
また、ノンレム睡眠が増えレム睡眠が減少する研究結果がある。
うつ病では、1Aの刺激が少なく、2Cの刺激が多い。よって、2Aが優勢となり憂鬱で2Cにより、食欲が減少する。
したがって、セロトニンが脳内に多いと肥満の治療に役立つことも考えられる。
SSRI(選択的セロトニン阻害剤):セロトニン作動性神経を活性化し鬱病や強迫神経症の治療に用いるが効果が現れるまで2,3週間必要といわれている。
体内でのセロトニンの生成過程は、タンパク質を摂取後に腸内で吸収され、肝臓内酵素でアミノ酸(トリプトファン)になり、
トリプトファンからセロトニンに合成されるとされる。
セロトニンは更に5−HIAAと松果体で睡眠物質メラトニンが生成され、血液循環で体に送られる。
したがって、トリプトファンを多く含む食べ物が精神状態や睡眠に関係していると考えることができる。
セロトニンの生成にはトリプトファンのみが原料とはならない、ビタミンB1、B6など、
ことにビタミンB系列も必要であり、神経の働きを正常にするにはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも必要である。
3,神経伝達の特性
薬の耐性の原因原因(耐性とは薬が効きにくくなる現象)
1.MAO(マオウ:モノアミンオキシターセ)の活性が高まり、すぐ分解される。
2.シナプス後膜における受容体の数が減少するため。
3.シナプス前膜でのトランスポーターの活動低下
などが考えられる。
4、脳内物質の増減
前述の脳内物質は生活環境や生活習慣、食生活、就寝起床リズム、運動量、呼吸法、ストレスなどで増減するといわれている。
5,結論
したがって、肥満を改善するためには、強いこころの意志を生み出し、精神を安定化させるセロトニンも重要と考えることができる。脳内に多いと肥満の治療に役立つことも考えられる。
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