人の原始的な脳は視床下部、視床、脳幹、等で延髄の上部、
つまり脳の深い部分に位置しており、主に生命維持を目的とし、食欲、水分調節、体温調節等を
自律神経やホルモン分泌によって平衡状態を維持しようとする働きによって自動的に行っている。
また、自己防衛のために攻撃性や種族保存のために性欲を発現させている。
思考等の働きを行う大脳新皮質とは辺縁系を隔てているため、新皮質からの制御が及びにくいといえる。
このように、原始脳は、思考や意識などの制御によって、調整することは難しく、生理的な欲求という形で表出するといえる。
ただし、構造的に辺縁系に近接しているため感情の影響は受けやすいと言える。
食欲を例に取ると、人は意識しなくても、体内に必要な物質が減少すれば、食欲という欲が生じ、食べることが快感となる。
しかし、体内に必要な物質量が十分と判断されれば満腹を感じ、食欲という欲は消滅し、今度は食べたくなくなる。
しかし、このような場合もある。悩みがある場合や悲しい時や怒っている場合等はこれらの欲が影響を受ける。(例えば食欲の減退など)
以上から、原始脳が人間の思考や心理におよぼす影響として、以下のことが考えられる。
1)無意識の領域で生じる生理的欲求衝動。
2)相反する交代的で反復的な衝動。
3)自己防衛的攻撃衝動。
4)自己の特性である遺伝子を未来に残そうとする衝動
5)生物として進化をするための衝動
6)苦痛から遠ざかり、快感に向かおうとする衝動
以上、本能欲求は生物という機能を未来に永続させようとすることに集約され、
生物である人間においても、隠された欲求として表れ、心の情勢に影響をおよぼしている。
ところが、うつ病や神経症などの精神疾患になると上記の脳の働きが過敏になり、
生理的な欲求が減退することが多い。
例えば食欲減退、性欲減退、やる気や気力の減退、変化を求める欲求の減退、睡眠障害などが生じる。
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