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2022年07月05日

脳内物質トリプトファンと心の健康


人は悩みや怒りで眠れなくなることがある。

人が普通に眠れるためには、脳内で睡眠に関係する物質が正常に分泌され、

脳内の興奮系の神経の過剰活動を抑える必要がある。

一般に脳内での睡眠物質として、メラトニンや風邪などのウイルスを免疫細胞で分解した際の物質、

鎮静系のギャバ神経の活性を高めるガンマアミノ酪酸などが挙げられる。

特に、うつ病患者などでの不眠に悩む人は脳内のメラトニンが減少しているといわれている。

では、メラトニンは体内でどのように生成されるかといえば、

セロトニンという脳内を安定させる前駆物質から体内酵素によって生合成される。

セロトニンはトリプトファンという物質から生成されるが、トリプトファンは食事によって摂取する必要がある。

トリプトファンは肉類、魚類、チーズなどの乳製品に多く含まれる。

植物性ではそばや米類にも魚類ほどではないが含まれている。

トリプトファンを効率よく摂取する方法として、魚類や肉類、乳製品たどを

単体で摂取するよりも、穀類と一緒に摂取すると効果的であると考えられる。

なぜなら、脳内の神経細胞はグルコースを栄養源としているためである。

グルコースは米やパンなどの炭水化物を分解されてできたもので、

米や麦類、そばなどの炭水化物は、体内で分解されてブドウ糖となり

ブドウ糖が更に体内酵素で分解されたものがグルコースであるからだ。

つまり、グルコースと一緒にトリプトファンを摂取すると、脳内への到達効率が格段に高まるということになる。

脳内に取り込まれたトリプトファンは体内酵素でセロトニンとなり、セロトニンが酵素によって更にメラトニンとなる。

トリプトファン含有食品はうつ病や不眠症、肥満などの食事治療に用いられるがそれには理由がある。

なぜなら、脳内でトリプトファンが生成されないと神経の興奮抑制作用と脳内神経の安定に

関係するセロトニンも睡眠物質メラトニンも生成される量が減少し、上記の症状がでるためだ。

トリプトファンが肥満抑制と関係するのは、脳内のセロトニンが減少すると食欲の抑制が効かず

摂食中枢や満腹中枢のコントロールが効きにくくなり、満腹感が得られないため食べすぎる結果であろうし、

睡眠障害はメラトニンの前駆物質であるセロトニンが減少することによるためと考えられる。

また、うつ病の治療薬の原理は脳内でのセロトニンの量とセロトニン作動性神経の調節であるからだ。

脳内物質セロトニンは神経の安定と苦痛や不安、怒りなどの興奮系神経の制御に関係しているため、

不安障害やうつ病にも関係しているといわれている。

ただ、睡眠障害でのメラトニンの生成には日中での目から入る光の量と時間が関係しているため、

夜間にメラトニンを多く分泌させ、快い眠りを得るためには、トリプトファン含有食品を摂取する

だけでなく日中に太陽光などを多く浴びる必要があるといわれている。

よって、うつ病患者や不眠症患者には光療法といって、日中に太陽光や人工的な高照度の照明で

多くの光を照射させる治療法も行われている。

結論として、うつ病や不眠症、肥満症の方はトリプトファン含有食品を摂取しつつ、

日中に光を目から多く入れ、セロトニン代謝を高めることが必要と言える。

日中に光を浴びることは体内時計の調整をも兼ねるため、理にかなっているといえそうだ。

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さかえ
中年で管理職でのストレスや長時間労働での過労やプレッシャーが続き、うつ病と不安障害を発症して失業し、何とか5年でほぼ治りました。一時期社会復帰について悲観的になりましたが、今は社会復帰して働いております。うつ病を治すには時間と運動と薬が必要だと思います。 治るために試行錯誤した内容や治癒に役立ったと思うノウハウを発信しております。
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