2011年08月01日
もっとジミーの好きなもの
久しぶりにJimmie Vaughanのアルバムを買いました。
リリース前から予約オーダーをしていたのです。
多分、新作を買ったのは10年ぶりくらいだと思います。
私は、Jimmie Vaughanをそれなりに聴いてきたはずでしたが、いつしか興味が薄れ、縁遠くなっていたのです。
というわけで、確認のため調べたところ、驚くべきことが判明しました。
確かに10年ほど疎遠だったという私の印象は正しいものでした。
でも、この約10年、Jimmie Vaughanは、本作を含めて2枚のみアルバムをリリースしていただけだったのです。
1. I Ain't Never (Webb Pierce, Mell Tillis)
2. No Use Knocking (Paul Gayten, Robert Guidry)
3. Teardrop Blues (Jimmy liggins)
4. I Hang My Head and Cry (Gene Autry, Fred Rose, Whitley)
5. It's Been a Long Time (Biggs, Thomas)
6. Breaking Up Is Hard to Do (Bourgeois, Huey P.Meaux)
7. What Makes You So Tough (Glover)
8. Greenbacks (Richard)
9. I'm in the Mood for You (Biggs, Thomas)
10. I Ain't Gonna Do It No More (Robert Guidry)
11. Cried Like a Baby (Brown, David, Herman)
12. Oh Oh Oh (Lloyd Price)
13. I'm a Love You (Jimmy Reed)
14. The Rains Came (Huey P.Meaux)
彼のソロ・ワークは以下のとおりです。
Strange Pleasure : '94
Out There : '98
Do You Get The Blues ? : '01
Plays Blues, Ballads & Favorites : '10
Plays More Blues, Ballads & Favorites : '11
最初の94年の"Strange Pleasure"はそれなりに楽しめました。
でも、その後の作品からは徐々に関心が薄れ、惰性で購入するようになっていたのです。
私は、それらが、音楽雑誌のレビューで好評価なのを不思議に感じていました。
「琴線に触れる、触れないというのは好みの問題だからなあ」と横目で見ていました。
そして、01年リリースの"Do You Get The Blues ?"を最後に、私はJimmieを追わなくなったのでした。
そのはずでした。
しかし、Jimmieはその後9年間、新作をリリースしなかったため、結局入手しなかったのは、昨年の"Plays Blues, Ballads & Favorites"だけだったというわけです。
さて、今回、本盤を入手しようとしたのには、ちゃんとした理由があります。
それは、Lou Ann Bartonと一緒に写っているジャケのせいでした。
私は、以前からLou Ann Bartonが好きなのでした。
Jimmieは、ボーカルが弱点です。
強力なボーカリストと組んでほしいと以前から思っていました。
その意味で、今回の試みは私にとって願ってもないことなのでした。
しかし、またもしかしです。
ジャケは誇大広告でした。
Lou Ann Bartonが参加しているのは3曲だけです。
そして、実は前作も全く同じコンセプトで作られ、Lou Ann Bartonが数曲で参加しているようなのです。
「これって、2枚録りして、2年間に分けて小出しにしたんじゃないの?」
と、私の心の声がつい叫んでしまうのでした。
よく見ると、ジャケ写は、前作のものを使いまわして、JimmieのとなりにLou Ann Bartonの写真を加えただけのようにも思えます。
ぶつぶつと独り言をつぶやきながらも、それとは裏腹に私は期待していました。
さらに、前作にも関心を持ち出していたのです。
私は、前作からのコンセプトを知りませんでした。
無関心だったので気付かなかったのです。
「ブルース、バラッド そして好きな曲を演る」
いいじゃないですか!!
うーん、カバー曲大好き、企画盤大好きの私としては、前作をスルーしたのはポカでした。
気負いこみつつ、早速聴きましょう。
冒頭の"I Ain't Never"は、意表をついてホンキー・トンク・カントリーでスタートします。
Webb PierceとMell Tillisが書いた曲で、多分Webb Pierceの59年盤がオリジナルだと思います。
私は、WebbのバージョンをBear familyの年代別カントリー・コンピで聴きました。
72年には、もうひとりの作者、Mell Tillis盤がヒットしているようですが未聴です。
ロッキン・カントリーで、ロカビリアンが好みそうな曲ですね。
多くのカバーがあると思いますが、ロックでは、John Fogerty盤とDave Edmunds盤です。
ここでのJimmie盤は、私が持っているJimmieのイメージそのままの仕上げでした。
アルバムの1曲目は、アップテンポでロックンロール調、そしてリズム・ギターがとことん頑張ってドライヴしてほしいところ、しりすぼみになってしまう。
バンドには、もう一本ギターがいるのだから、もう少し分厚くいってほしいものです。
T-Birdsの出世作、Dave Edmunds制作のアルバムは良かったです。
あれは間違いなく、Daveがサイドを弾いていますよね。
グルーヴが違います。
Jimmieのソロって、押しなべて、スイング感がいまいちだと思いませんか。
私の理想は、弟とやったVaughan Brothersの"Family Style"です。
中でも、1曲だけあげれば、"White Boots"です。
あのファンキーなグルーヴは、ナイル・ロジャースの制作のたまものでしょうか。
ああいうのをやってくれれば、私の興味が薄れることもなかったでしょう。
さて、私は、Jimmieの音楽的趣味を探るほうに関心がいっています。
Bobby Charlesを2曲やっていますが、私が知っているのは、"No Use Knocking"のみです。
多分、もう1曲のほうもChess録音だと思いますが、記憶にありません。
とはいえ、ニューオリンズR&Bのカバーは私の大好物です。
さすがに、Lou Ann Bartonがいい味出してますが、ヴィンテージ期のBobby Carlesと同じ伴奏を付けてあげたいところです。
私は、Jimmieの演奏から、もさっと感を受けます。
あか抜けない感じです。
私は、時にイナタいという言葉を使いますが、褒め言葉です。
でも、あか抜けないというのは、そのままストレートな意味で使っています。
"I Hang My Head and Cry"は、原曲は古いヒルビリーです。
作者名に、Gene Autryとありますから、本人の録音もあると思います。
ただ、私はGene盤は未聴で、聴いていたのは、Sons of Pioneer盤です。
でも、明らかにJimmie盤のお手本ではないですね。
この曲は、R&Bでは、Arthur Alexander盤があり、そっちでしょうか。
うーん、他にそれらしいのが見当たりませんが、Arthur盤の暖かみや、とぼけた味はJimmieには出しようがないですね。
ブルージーな別の曲として楽しみましょう。
"Breaking Up Is Hard to Do"は、ニール・セダカ作の同名曲があり、特にウキウキ感たっぷりのカーペンターズ盤は最高ですが、同名異曲です。
こちらは、Swamp Popの初期の代表曲のひとつで、オリジネイターはJivin Geneです。
Jivin Gene盤は若干レア気味なので、Cookie & his Cupcakes盤が聴きやすいですね。
このあたりが好きだというのは、この世代のテキサンなら当然です。
Johnny Winterもそうでした。
ここでも、Lou Ann Bartonが良いです。
"Cried Like a Baby"は、Nappy Brownの"I Cried Like Baby"ですね。
好きなんでしょうが、こういうシャウターの曲だと、ボーカルの弱さが目立ってしまいます。
ここは、朴訥なギターでカバーしたいです。
"Oh Oh Oh"は、Lloyd Priceですが、原曲は未聴です。
今回、原曲が聴きたくなった曲のひとつです。
ラストは、"Rains Came"です。
Jimmieさん、あなたもこの曲がお好きですか。
嬉しいです。
Doug Sahmのトリビュート盤に参加していた人ですから、当然かな。
もし、Stevie Ray Vaughanが生きていたら、彼はDougの追悼盤に参加したんでしょうか。
Dougの曲を歌うStevieが聴きたかったです。
最後に、私の好きなJimmie Vauighnの助演プレイをひとつ。
Lou Ann Bartonのソロ作、"Lead My Lips"の1曲目、"Suger Coated Love"でのソロです。
あのアルバムは、他にもギタリストがいたと思いますが、私はJimmieのプレイだと思っています。
(違ったらショックだな。)
リリース前から予約オーダーをしていたのです。
多分、新作を買ったのは10年ぶりくらいだと思います。
私は、Jimmie Vaughanをそれなりに聴いてきたはずでしたが、いつしか興味が薄れ、縁遠くなっていたのです。
というわけで、確認のため調べたところ、驚くべきことが判明しました。
確かに10年ほど疎遠だったという私の印象は正しいものでした。
でも、この約10年、Jimmie Vaughanは、本作を含めて2枚のみアルバムをリリースしていただけだったのです。
Plays More Blues, Ballads & Favorites
Jimmie Vaughan
feauturing Lou Ann Barton
Jimmie Vaughan
feauturing Lou Ann Barton
1. I Ain't Never (Webb Pierce, Mell Tillis)
2. No Use Knocking (Paul Gayten, Robert Guidry)
3. Teardrop Blues (Jimmy liggins)
4. I Hang My Head and Cry (Gene Autry, Fred Rose, Whitley)
5. It's Been a Long Time (Biggs, Thomas)
6. Breaking Up Is Hard to Do (Bourgeois, Huey P.Meaux)
7. What Makes You So Tough (Glover)
8. Greenbacks (Richard)
9. I'm in the Mood for You (Biggs, Thomas)
10. I Ain't Gonna Do It No More (Robert Guidry)
11. Cried Like a Baby (Brown, David, Herman)
12. Oh Oh Oh (Lloyd Price)
13. I'm a Love You (Jimmy Reed)
14. The Rains Came (Huey P.Meaux)
彼のソロ・ワークは以下のとおりです。
Strange Pleasure : '94
Out There : '98
Do You Get The Blues ? : '01
Plays Blues, Ballads & Favorites : '10
Plays More Blues, Ballads & Favorites : '11
最初の94年の"Strange Pleasure"はそれなりに楽しめました。
でも、その後の作品からは徐々に関心が薄れ、惰性で購入するようになっていたのです。
私は、それらが、音楽雑誌のレビューで好評価なのを不思議に感じていました。
「琴線に触れる、触れないというのは好みの問題だからなあ」と横目で見ていました。
そして、01年リリースの"Do You Get The Blues ?"を最後に、私はJimmieを追わなくなったのでした。
そのはずでした。
しかし、Jimmieはその後9年間、新作をリリースしなかったため、結局入手しなかったのは、昨年の"Plays Blues, Ballads & Favorites"だけだったというわけです。
さて、今回、本盤を入手しようとしたのには、ちゃんとした理由があります。
それは、Lou Ann Bartonと一緒に写っているジャケのせいでした。
私は、以前からLou Ann Bartonが好きなのでした。
Jimmieは、ボーカルが弱点です。
強力なボーカリストと組んでほしいと以前から思っていました。
その意味で、今回の試みは私にとって願ってもないことなのでした。
しかし、またもしかしです。
ジャケは誇大広告でした。
Lou Ann Bartonが参加しているのは3曲だけです。
そして、実は前作も全く同じコンセプトで作られ、Lou Ann Bartonが数曲で参加しているようなのです。
「これって、2枚録りして、2年間に分けて小出しにしたんじゃないの?」
と、私の心の声がつい叫んでしまうのでした。
よく見ると、ジャケ写は、前作のものを使いまわして、JimmieのとなりにLou Ann Bartonの写真を加えただけのようにも思えます。
ぶつぶつと独り言をつぶやきながらも、それとは裏腹に私は期待していました。
さらに、前作にも関心を持ち出していたのです。
私は、前作からのコンセプトを知りませんでした。
無関心だったので気付かなかったのです。
「ブルース、バラッド そして好きな曲を演る」
いいじゃないですか!!
うーん、カバー曲大好き、企画盤大好きの私としては、前作をスルーしたのはポカでした。
気負いこみつつ、早速聴きましょう。
冒頭の"I Ain't Never"は、意表をついてホンキー・トンク・カントリーでスタートします。
Webb PierceとMell Tillisが書いた曲で、多分Webb Pierceの59年盤がオリジナルだと思います。
私は、WebbのバージョンをBear familyの年代別カントリー・コンピで聴きました。
72年には、もうひとりの作者、Mell Tillis盤がヒットしているようですが未聴です。
ロッキン・カントリーで、ロカビリアンが好みそうな曲ですね。
多くのカバーがあると思いますが、ロックでは、John Fogerty盤とDave Edmunds盤です。
ここでのJimmie盤は、私が持っているJimmieのイメージそのままの仕上げでした。
アルバムの1曲目は、アップテンポでロックンロール調、そしてリズム・ギターがとことん頑張ってドライヴしてほしいところ、しりすぼみになってしまう。
バンドには、もう一本ギターがいるのだから、もう少し分厚くいってほしいものです。
T-Birdsの出世作、Dave Edmunds制作のアルバムは良かったです。
あれは間違いなく、Daveがサイドを弾いていますよね。
グルーヴが違います。
Jimmieのソロって、押しなべて、スイング感がいまいちだと思いませんか。
私の理想は、弟とやったVaughan Brothersの"Family Style"です。
中でも、1曲だけあげれば、"White Boots"です。
あのファンキーなグルーヴは、ナイル・ロジャースの制作のたまものでしょうか。
ああいうのをやってくれれば、私の興味が薄れることもなかったでしょう。
さて、私は、Jimmieの音楽的趣味を探るほうに関心がいっています。
Bobby Charlesを2曲やっていますが、私が知っているのは、"No Use Knocking"のみです。
多分、もう1曲のほうもChess録音だと思いますが、記憶にありません。
とはいえ、ニューオリンズR&Bのカバーは私の大好物です。
さすがに、Lou Ann Bartonがいい味出してますが、ヴィンテージ期のBobby Carlesと同じ伴奏を付けてあげたいところです。
私は、Jimmieの演奏から、もさっと感を受けます。
あか抜けない感じです。
私は、時にイナタいという言葉を使いますが、褒め言葉です。
でも、あか抜けないというのは、そのままストレートな意味で使っています。
"I Hang My Head and Cry"は、原曲は古いヒルビリーです。
作者名に、Gene Autryとありますから、本人の録音もあると思います。
ただ、私はGene盤は未聴で、聴いていたのは、Sons of Pioneer盤です。
でも、明らかにJimmie盤のお手本ではないですね。
この曲は、R&Bでは、Arthur Alexander盤があり、そっちでしょうか。
うーん、他にそれらしいのが見当たりませんが、Arthur盤の暖かみや、とぼけた味はJimmieには出しようがないですね。
ブルージーな別の曲として楽しみましょう。
"Breaking Up Is Hard to Do"は、ニール・セダカ作の同名曲があり、特にウキウキ感たっぷりのカーペンターズ盤は最高ですが、同名異曲です。
こちらは、Swamp Popの初期の代表曲のひとつで、オリジネイターはJivin Geneです。
Jivin Gene盤は若干レア気味なので、Cookie & his Cupcakes盤が聴きやすいですね。
このあたりが好きだというのは、この世代のテキサンなら当然です。
Johnny Winterもそうでした。
ここでも、Lou Ann Bartonが良いです。
"Cried Like a Baby"は、Nappy Brownの"I Cried Like Baby"ですね。
好きなんでしょうが、こういうシャウターの曲だと、ボーカルの弱さが目立ってしまいます。
ここは、朴訥なギターでカバーしたいです。
"Oh Oh Oh"は、Lloyd Priceですが、原曲は未聴です。
今回、原曲が聴きたくなった曲のひとつです。
ラストは、"Rains Came"です。
Jimmieさん、あなたもこの曲がお好きですか。
嬉しいです。
Doug Sahmのトリビュート盤に参加していた人ですから、当然かな。
もし、Stevie Ray Vaughanが生きていたら、彼はDougの追悼盤に参加したんでしょうか。
Dougの曲を歌うStevieが聴きたかったです。
最後に、私の好きなJimmie Vauighnの助演プレイをひとつ。
Lou Ann Bartonのソロ作、"Lead My Lips"の1曲目、"Suger Coated Love"でのソロです。
あのアルバムは、他にもギタリストがいたと思いますが、私はJimmieのプレイだと思っています。
(違ったらショックだな。)
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