2009年11月12日
ゆめつげ
畠中 恵著
出版 : 角川書店
発行年月 : 2008
「しゃばけ」シリーズかなと思ったら違っていました。
江戸末期ペリーが来航してから10年の江戸の町が舞台です。
上野近くのつぶれかけた小さな神社で神官を勤めるのんびりやの兄・弓月としっかり者の弟信行。
このつぶれかけた神社に訪れた白加巳神社の権宮司。
彼の目当ては兄の弓月。
何故なら弓月には”ゆめつげ”ができるのです。一般に夢告或いは夢占いといわれているものです。
弓月の”ゆめつげ”は夢の中で見たものを相談者に告げるものなのですが、何故か微妙にズレルらしい。それで氏子からは信がない。年に1,2度程度占いもののようなのですが、権宮司は”夢告”をして欲しいと来た訳です。つぶれかけた小さな神社を救う為、謝礼目当てに弓月たち兄弟は白加巳神社に行きます。
そこには蔵前の札差夫婦がいて8年前の大火で行方知れずになった息子を探して欲しいとの依頼でした。候補の3人の男の子の前で弓月は占います。
ところが占うたびにズレル。血を吐く。
子供達の育ての親が次々に辻斬りに殺されていく。
謎の動きをする権宮司や札差夫婦。
それらの謎を弓月は解き明かしていきます。
辻斬りたちの目的がよくわからずイライラしながら次に、次にと読み進めて一気に読んでしまいました。
みんなを辻斬りたちから救う為に立て続けに占いをして無理をする弓月。
そして見えてきた権宮司の目的とは?
最後に弓月は”ゆめつげ”をもうしないと父の神主に言うようですが、何故なのかよくわかりませんでした。そのあたりをもう少し書いてくれればと感じました。
でも、イッキ読みの出来る本です。