2009年05月21日
ねこのばば
畠中 恵著
税込価格: \500 (本体 : \476)
出版 : 新潮社
発行年月 : 2006
「しゃばけ」シリーズ3作目です。
短編集で
◎茶巾たまご
◎花かんざし
◎ねこのばば
◎産土
◎たまやたまや
の5作品が収められています。
茶巾たまごの冒頭のシーン
全然寝込まない。咳すらしない。ご飯のお代わりをする。こんな普通のことなのに主人公の一太郎だと二人の手代は「いつもと違う。源信先生をお呼びしましょうか?」なんて健康なのがおかしいといわれる一太郎。
その異変は10日ほど前に起こった兄松之助の奇妙な見合いの席で金次を拾ったことから始まります。
松之助見合いの相手は海苔の問屋のお嬢さん。
そのお嬢さんが殺され、お嬢さんの書き溜めた海苔料理の資料が無くなった。
百珍本などというネタを入れ、なんだか現代のTVPR手法に似た事まで出てきて「江戸の話?」なんて思ったりしながら若旦那 一太郎の謎解きを楽しみました。
茶巾たまごなどタイトルになっているけど百珍本を出す為の枕として使ったワードをタイトルに持ってくるところは考えてるな〜とうなってしまいました。
産土は手代の一人 佐助の話ですが、若旦那を死なしてしまったお話。
掟破りと感想を書く人もいるようですが、手代の佐助の人(妖)なりを知るのにいいエピソードではないかと思います。