2012年02月08日
伊勢の曙光


高田 崇史著
出版:講談社
【秘宝の鮑真珠「海の雫」を携えて三重県から上京していた神職が、不審な墜落死を遂げた。桑原崇は親友・小松崎良平から事件解決の協力を頼まれ、棚旗奈々とともに伊勢へと向かう。二人が伊勢神宮の真実に迫る一方で、東京では新たな被害者が。さらには崇と奈々までもが命の危険にさらされてしまう。事件の背後に広がる歴史の闇は、日本史上最大の神秘を解き明かす鍵となるのか?】
高田崇史氏のQEDシリーズも長いですね。今回は伊勢神宮がらみと聞いて気になって気になって。その割には発売してから購入までに随分たてしまいました。理由は12月、1月がチョット忙しかったからです。(と少しだけいいわけ・・・)
伊勢神宮には天照大神をおまつりしている。天照大神は天皇家のご先祖と言われている。その割りに天皇家が参拝されたという記憶がないのは何故?「宇佐神宮より天皇の位を道鏡に譲れとの神託があった」と伝えられる事件の時に和気清麻呂が宇佐神宮まで確認に行っています。何故ご先祖のいる伊勢神宮にいかないの?など疑問に思っていました。
QEDによると伊勢神宮は道鏡事件の100ほど前、持統天皇の時に初めて行幸し、その後明治天皇が正式参拝をするまで誰も行っていなかったようです。ただ、斎宮は出していたようです。そんな伊勢神宮の謎を解いてしまおうというのだから高田崇史さん(桑原崇)はすごいですね。毎度の事ながら殺人事件は付け足しのように解決してしまいます。殺人事件から話は始まるのに結構軽いですね。
歴史と言うのはその存在自体がミステリーのようなものです。邪馬台国、出雲大社、伊勢神宮、スサノオの命。神話の世界も謎ばかりです。そんな歴史好きを納得させようと言うのだから文章は結構読みにくい。知らない知識が目白押しだし、嘘か誠かと言うような薀蓄もあります。しかし、一気に読んでしまう面白さもあります。また、桑原崇と棚旗奈々の関係もいい加減年なんだからはっきりしろよ!と気になってしまいます。内田氏の“浅見光彦”もですが、男の甲斐性と言う言葉を知らんのか!!と思ってしまいます。奈々の妹が結婚するらしく、二人の間もなにやら進展がありそうな感じです。

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