誕生日の朝、実は病院で検査を行っていた。ちょっと気になるところがある、と主治医がおっしゃった臓器の検査だった。幸い悪いものではなかろうとのことであったが、経過はしっかり見ていきましょうとの仰せである。無罪放免ではなく執行猶予か。最低10年以上の猶予はつけてほしい。
60代になって、生活環境が激変して、立て続けに大病を患った。
生き馬の目を抜くといわれる超ストレス社会の広告業界で37年間無事だった体が、種類の違う激しいストレスが重なったとたんに壊れた。死を覚悟した瞬間もあった。それをどうにかギリギリのところですり抜けてきた。神様に感謝である。
よく言われることだが、年を取ると健康のありがたさが身にしみるという。まさにその通り。
健康は、何物にも代えがたい。仕事をするにしても、家庭生活を営むにしても、趣味に励むにしても、健康でなければどうしようもない。若い時や、病気をしたことのない間は、健康であることの素晴らしさ、ありがたさを実感しがたい。それが損なわれたときに、しまった、と思う。お金で買えなくて、損なうとお金がかかかるもの、それが健康である。
少しほっとして病院を出て空を見上げたら、見事な秋の雲だった。
夏の猛暑からさわやかな秋空へ。そしてまた冬がやってくる。四季の移ろいに心を動かされながら、これからの人生の季節を、ひとつひとつ大切に過ごしていきたいと思う。
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