2001年生まれのダイムラー家のお嬢様は、16歳で私の家に来て、22歳でお嫁にいった。
この世界では、かなりお年寄りなので、お嬢様というよりは、おば様と言うべきかもしれない。
しかし、その古さを感じさせないフロントビューも、リアビューも、私にはとても魅力的だった。
年を重ねると、足回りや色んなところにガタが来る。彼女も同じだ。
4年ほど前には、ヨーレイトセンサーが故障し、結構な出費を私に求めた。
ドイツ生まれのオールドレデイは、お金がかかる。
もちろん、これまで何台も古い欧州車とつきあってきているので、たいていのことには驚かないけれど、私自身も前期高齢者となり、自分の体のメンテナンスにもお金のかかるようになってしまった。
センサーの修理以降は、大きな故障もなかったけれど、最近は、足回りのがたつきを感じることも多くなった。車検を前にして、父の介護など色んなことで負荷がかかってきた私にとって、父のほかに手のかかる老婆の面倒を見ることは、昔と違ってかなり重くなっていた。
次女の、ややコンパクトなレディも、もう中年に突入し、これからまたあちこちにガタがきてお金がかかるかもしれない。そんなわけで、車検を前にして、ついに長女との別れを決心したのである。
手を入れれば、まだまだ乗れるので、本当はもう少しお付き合いを続けたかったけれど、心を鬼にして別れを決めた。
車屋が引き取りに来て、妻と一緒に記念写真を撮り、ミス・ダイムラーを見送った。
妻も、お世話になりました、ありがとうと言いながらお別れをしていた。
ありがとう。また良い人に出会えるといいね。さよなら、C200
#C200
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