(画像は、BS朝日HPより)
この番組の面白さは、友近・中川礼二の絶妙な掛け合い漫才のようなトークはもちろんなのだが、企画構成の上手さが光っている。中川礼二が鉄道マニアなのは有名だが、その博識と、鉄道の走行音の口真似などの芸を織り交ぜながら、友近との絶妙なアドリブ(多分)を展開する。変な旅番組よりもはるかに、「旅のシズル感」を感じることができる。しかもアドリブ漫才のような見事な芸も堪能できる。脇役も良く組み立てられていて、鉄道好きの久野アナウンサーが、アシスタントというか、架空の観光案内担当者として、鉄道のタイムスケジュールを調べたりなど、さりげなく控えめにからんでくる。そこに鉄道マニアでも面白さトップクラスの徳永ゆうきのようなゲストが出てくると、興奮は最高潮となる。
つまり、番組の基本設定、キャスティング、構成台本、ゲスト、ネット局を活用した下調べと取材、といった番組制作の基本的な要素を、巧みに組み立てているのだ。
自宅にいる時間が長いと、TV番組を見る機会が多くなる。NHKのドキュメンタリー番組の力量などをあらためて実感することも多いが、民放の中でも、企画に工夫を凝らした番組つくり、制作費はそれほど潤沢ではない中で、制作人も楽しみながら作っているBSの番組などに、思いがけない番組が出てきている。ETVにも、「デザインあ」のような、おそるべきクリエイティビティを盛り込んだ制作技術とデザインアイデアを施した優れた番組も数多い。
コロナVがもたらした自宅で過ごす時間の過ごし方など新たな生活様式の中で、TV番組への厳しい視聴者の目が、あらためて研ぎ澄まされていけば、大人の鑑賞に堪える番組もふえていくのではないか、などと密かに妄想している。
#新しい生活様式 #TV番組
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