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2022年03月15日

キッシュと玉子焼き

キッシュという料理がある。卵を使った料理で、フランスの料理というところだろう。
ウィキで調べてみると、「キッシュ(仏: Quiche [ˈkiːʃ])は、卵と生クリームを使って作るフランス、アルザス=ロレーヌ地方の郷土料理」とある。ベーコンの入ったキッシュ・ド・ロレーヌが代表的なキッシュのようだ。

いつの間にか大手デパートの食品売り場などでは、定番メニューとして売られている。この20年くらいの間だろうか。
日本では、というか、私の中では、初めて食べた時の印象が影響しているのか、ベーコンとほうれん草のキッシュが、代表的なものだ。
まあ、乱暴に言ってしまえば、具入りの玉子焼きをオーブンで作ったもの、というようなわけだが、しかし、やはりそれだけでは簡単に済まないところが、料理の面白いところだ。

キッシュはワインに合う。出汁巻玉子や玉子焼きは、日本酒に合うが、ワインには今ひとつしっくりこない。ビールでもいける。同じ卵料理でも、そこには、やはり国によって異なる微妙な食文化の違いが現れている。
私が初めて食べたのは、40年前くらい?霞町(もうこの地名も通じないだろうけれど)のフィガロというフランス料理屋だったような気もするし、池袋西武で買って食べたような気もするが、いずれにせよ、30〜40年くらい前だと思う。

初めて食べて以来、私は、キッシュがわりと好きで、レストランで食べたり、食品売り場で買って来たりしていた。ネットでレシピが手軽に検索できる時代になり、キッシュもそれほど難しい手間なく自分で作れるのだということを知ってからは、時々作るようになった。特に、父の介護をするようになり、料理をする時間が、一日の中で大きな時間を占めるようになってからは、作る機会が増えた。何しろ、田舎町のスーパーには、キッシュなどほとんど売っていないので、自分で作れるならそれにこしたことはない。
220315DSC_0023.JPG

というわけで、冷蔵庫のほうれん草を片付けたいということと、美味しいバゲットを買ってきたということもあって、今夜は、久し振りにキッシュを作った。基本的には、「生クリームを入れ、パイ生地でくるんだ具入り玉子焼き」なのだが、生クリームを入れ忘れ、パイ生地もないので、厳密に言えばキッシュではないので、私自身は、「キッシュもどき」と称している。しかし、味わいとしては、そこそこキッシュで、ワインにも良く合う。

あとは、私の定番のコールドミートである、鶏むね肉の塩ゆでスライスと、買ってきたミラノソーセージ、そしてこれも定番のベーコンと野菜のポトフ、これが今夜のメニューとなった。
220315DSC_0027.JPG

生クリームを忘れたけれど、今夜のキッシュもどきは、結構うまく焼きあがった。なかなか美味しい。ワインもつい進んでしまった。

しかし、テレビからは、今日もウクライナで戦火をくぐり抜けながら生きている親子の姿が報道され、フランス国営テレビの美人記者もウクライナの報道をしていた。ウクライナには、ボルシチのようなロシア料理の他に、独特のウクライナ料理もあるという。彼らは、これまで当たり前に楽しんでいたウクライナの郷土料理を食べることもできないのだ。
申し訳ないと思いながら、私は、キッシュをかみしめていた。
#キッシュ













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