そして、北京では、冬季オリンピックの閉会式が開催されている。
ちょうどBSテレ東で放送されていた高倉健の遺作となった映画「あなたへ」を見ていた。
富山刑務所が重要な舞台設定となり、新港の町など県内のあちこちでロケが行われた映画でもある。2012年後悔の映画で、高倉健が亡くなったのは、2年後の2014年。年老いた漁師役の大滝秀治も、いい味わいの素晴らしい演技を見せているが、健さんと同じく、これが遺作となったように思う。
2012年の映画公開当時、私はまだ50代であった。公開後しばらくしてから、テレビで放送されたのを見たように思う。
(映画公開時のポスター)
高倉健演じる主人公の倉島が、妻の思いをたどるように、ひとり車で旅をしていく姿は、70代も視野に入った今の私にとっては、心に沁みるものが、昔とはかなり違うように感じた。
静かな映画の余韻に浸った後で、閉会式にチャンネルをあわせた。
さっきまでの、静かで落ち着いたトーンの映像から、色鮮やかな閉会式の映像に変わると、まるで別世界に行ったように感じた。夏と冬2度の北京でのオリンピックセレモニーを見ていると、共産圏でありながら、自由主義国家のように豊かな表現力のクリエイターたちが、映像技術からイベントの演出・構成までを高いレベルでまとめ上げているクリエイティビティの高さに本当に驚かされる。
今日行われた日本VSイギリスのカーリングの決勝は、残念ながらイギリスの勝利となり、日本は銀メダルとなったけれど、本当に見事な活躍であった。何よりも、常に輝くような笑顔とチームコミュニケーションで戦い続けた彼女たちからは、日本中が、コロナ禍でも元気に生きようという力をもらったと思う。
このオリンピックで、日本は、過去最大のメダルを獲得した。
「このみちや いくたりゆきし われはけふゆく」・・高倉健の映画「あなたへ」の中で、重要な役割を果たす山頭火の句である。冬季オリンピックでも、各選手の活躍には、それぞれの強烈な生き方が、見え隠れしていた。
私もまた、健さんを見習って、あらためて自分なりにやれる生き方の道を、歩いて行こう、映画を見終わり、オリンピックのフィナーレを眺めながら、そんなことを思っていた。
#あなたへ #北京冬季オリンピック閉幕
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