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2022年02月10日

胆力を見た

北京オリンピックで、花形の種目といえば、やはりフィギュアスケートだろうか。
フィギュアの男子フリーでは、18歳の鍵山選手、宇野選手、そして、羽生選手が、最後の演技者であるアメリカのチャン選手を残して、ウェイティングルームに陣取っていた。
最後のプレイヤーであるチャン選手の演技を待っているその瞬間、1位から3位までは、全て日本選手だったわけである。
220210羽生.jpg
(msnより)

前日のショートプログラムで、痛恨のミスによって8位となっていた羽生選手は、誰も成し得ていない4回転半アクセルに、果敢にチャレンジするなど折れない心で、さらなる高みを目指していた。しかも、言いたくないとコメントしていたが、やはり前日の練習で、足を捻挫していて、調子は万全ではなかった。足首を捻挫した経験がある人は分かると思うが、ケガをした翌日になると痛みはけっこうなものになる。腫れあがることが多い。それでも、フリーの演技で、4回転半に挑んだ。そして転倒したが、すぐに立ち上がり演技を続けた。
結果は、4位であった。しかし、それは、スゴイことである。8位から4位にまで追い上げたのだ。

そして、果敢に挑んだ4回転半アクセルは、公認された。
「一生懸命やった結果がこれだった。頑張りました」と言いながら、「報われなかったオリンピックでした」とも思わずぽろりと語っていたが、そこには静かな悔しさがにじみ出ていた。しかし、4回転半のアクセルが公認されたことを聞いた時に、マスク越しの顔が思わず少しほころんだ。「報われなかったと思っていたけれど、これで報われました」

見かけは、ほっそりとした二枚目のやさ男だが、内に秘めた強さは、比類のないものだ。
熱のこもった演技から、インタビューでのコメントに至るまで、羽生という人格の持つ力が、あふれていた。胆力とはこういうことか、と感動した。
3連覇が達成できなくても、メダルが取れなくても、我々は羽生結弦を忘れない。













#羽生選手 #フィギュアスケート
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