21時、開会式が始まった。中国が誇る国際的演出センスを持つ映画監督チャン・イーモアと、IT技術の粋を結集した映像処理が、メイン会場を輝かせている。
そして、観客のいないメインスタジアムに現れたのは、習近平国家主席と、IOCのバッハ会長だ。
中国とソビエト。今や、国際情勢のキャスティングボードを握る二か国が、連携してオリンピックの裏側で手を取り合っている。アメリカは、オリンピックに対して外交ボイコットという選択をして、欧米の国々でも、それに準じる動きを取った国も多い。
ウクライナには、欧州の軍隊だけでなく、今やアメリカ軍も派兵をすすめている。
そんな緊迫した国際環境の中で、この華やかな映像技術と演出に支えられたオリンピックがスタートしたわけだ。
一歩間違えれば、第三次世界大戦にもなりかねないほどの国際的緊張を抱えたウクライナ、その火種の行方を左右する国のひとつがロシアであり、中国である。
習近平氏も、プーチン大統領も、近年は、専制君主のような様相を呈してきた。
自らの地位を維持するために、憲法や法律を変えるなど、かつての暴君のような振る舞いが目につく。華やかで素晴らしい演出の向こうには、国際的緊張が見え隠れしている。
#北京オリンピック
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