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2020年08月09日

戦争の記憶と映像の力

原爆の日、そして終戦記念日と、8月は戦争の記憶や記録をあらためて見直し後世に残していこうという番組が数多く放送される。昨夜は、NHKETVで、「“焼き場に立つ少年”をさがして」というドキュメンタリーを放送していた。
200809焼き場に立つ少年.jpg


残念ながら後半しか見る事ができなかったので、オンデマンドなどでもう一度見ようと思っているが、力の入った作品だった。

「焼き場に立つ少年」は、アメリカ人カメラマンのジョー・オダネル氏が撮影したとされる写真で、現在は長崎の原爆資料館にある。私もこの写真は目にした記憶があったが、実は、亡くなった弟を背中に背負って、火葬場で順番を待っているという胸に迫る状況をとらえた写真なのである。そのエピソード知ったうえでこの写真を眺めると、見る者の心をとらえ、涙が出てくる。歯を食いしばり、まっすぐに正面を向いてすっくと立つ少年、その表情は悲しみを必死でこらえているように見える。昨夜の番組は、この写真がどこでどのように撮られたのかなどを様々な資料や写真を検証して探っていく番組であった。

今日は、アニメ映画「この世界の片隅に」が、昨年に続いてこの時期に放送される。この作品もまた、映像の持つ力を示した力作だ。アニメ作品が、大きな力を発揮したいくつかの作品のひとつであり、戦争の記録に基づいてそれを丹念に掘り起こして細かな背景のひとつひとつにまでていねいに反映した監督の情熱と表現力は本当に素晴らしいと思う。

戦後75年、戦争や戦時中の記憶を実体験として持っている人も現在は、どんどん少なくなっている。もはや戦後に生まれた人が7割以上を占め、戦争の記憶の継承はどんどんむずかしくなっている。そうした中で、TV番組や映画などが、戦争の悲惨さや、悲劇を伝えていくことは、大きな役割であり、映像が持つ大切な力である。

#原爆の日 #戦争の記憶


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