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2021年10月03日

君主、そしてピアノデュオの夜

今夜は、興味深いTV番組を続けて見た。
ひとつは、毛沢東の秘書もやり、歴代の中国のトップにつかえ、途中投獄もされながら、彼らの生の姿を見てきた李鋭氏の手記に基づく中国一党支配の歴史をふりかえるドキュメンタリー番組だった。
211003Nスぺ中国一党支配李鋭氏.png
(NHKサイトより)

習近平もそのようだが、結局、中国共産党のトップの座に着いたものは、毛沢東も、ケ小平もそして習近平も専制君主のようになってしまうのだろうという。李鋭氏は、101歳で亡くなる前のインタビューで、「捲土重来」と言う言葉を使って、ケ小平も習近平も、以前の権力者と同じ状態に戻ってしまうと語っていた。始皇帝以来の中国政治の中に連綿と続く権力者の姿を、内部から見続けてきた人が語る説得力のある番組だった。
そして、彼が残してくれた膨大な手記を、パソコンで書き起こした娘さんの功績は、中国近代史を知るうえで、大きな財産になったと思う。

この番組に続いて見たもう一つの番組は、ETV「クラシック音楽館」。
いつものようにチャンネルをあわせたら、チックコリアと小曽根真のピアノデュオによるモーツァルトの演奏が始まったところだった。
師弟関係に近い間柄だが、仲の良い兄弟のようでもある二人の息の合った演奏は、本当に和やかな雰囲気で素晴らしかった。
211003チックコリアと小曽根.jpg
(NHKサイトより)

チックさんは、今年のはじめに亡くなったが、本当に惜しいアーチストがいなくなってしまったなあ。としみじみ思う。
日本屈指のジャズピアニストである小曽根真さんは、アメリカを拠点に活躍を続け、世界的なピアニストとなった今も、飾り気がなく、ごきげんでグルーヴィーな演奏スタイルである。

本当は、日本でまた二人で、いや上原ひろみを加えた3人でのコンサートも予定されていたという話を、以前小曽根さんが語っていたが、そのコンサートも幻になってしまった。

2台のピアノをはさんで、見事なコンビネーションで演奏している二人の姿は、スリリングで素晴らしいものであった。演奏を終えて、二人で肩を組みながら拍手にこたえる姿を見ていると胸が熱くなった。
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