医師から処方されている保湿系のクリームを塗っているが、あまり効かないようだ。かきむしった傷は、身体中にある。オムツを変えている時にも掻きだすので、非常に邪魔になるが、おそらくオムツ交換の時には、本人も毎回一種の緊張感があるので、血流が変わって、痒みが増すのではないかと私は勝手に推測している。
医師によれば、長年たくさんの酒を飲んできた人は、とくに痒がる人が多いという。(本当かな?)
父にクリームを塗りながら、実は60代になってから、私もあきらかに体の痒みが増したように思う。背中を中心にあちこちがかゆい。特に夜、夕食を終えて、仕上げの水割りをちびちび飲んでいるころからどんどんかゆくなる。酒を飲むと血流や血圧が変わるわけだから、多分そのせいだろう。医者の言っているように酒飲みは、痒がるという説も、あながち嘘ではないかもしれぬ。
そんなわけで、寝る前の数時間は、定規を背中に突っ込んで掻いたりしていたが、定規ではどうにも掻きにくいし、傷もつきやすいなあ、と悩んでいた。
そんな時、昔からある伝統の道具をふと思い出した。孫の手である。
考えてみれば、孫の手とは、よくできた名前で、60歳を過ぎてから痒みがひどくなっているから、ちょうど孫ができるくらいの年齢なわけで、やはりその頃から痒みも強くなることをあらわしてるのかもしれない。そして、「妻の手」ではない。
妻の手だと、たぶん、やや大きすぎるだろう。長年連れ添っていると、多少掻き方がやさしさに欠ける場合もあるやもしれぬ。
その点、孫は素直だ。手も小さいし力も強くないから、ほどよく掻いてくれるだろう。(ちなみに、私は孫がまだいないので、あくまで想像である)
どこに売っているかな?と考えて、もしや100円ショップにあるかも?と思って出かけてみたら、ありました!早速買って帰って、その夜使ってみたが、なかなか快適である。竹という素材は、プラスチックでは味わえないような感触がある。100円ショップのものだから、仕上げが多少荒いので、とげが刺さるかとも心配したが、今のところなかなかいい具合で、気持ちがいい。快感である。定規とは比較にならない使い心地だ。
これで孫のいない私でも、痒い所に手が届く。何故かゴムボールも付いていて、どうやらこれは、肩たたき用と思われる(他に使い方があればぜひお教えください)
かゆみと肩こり、まさに孫の手は、老人の悩みを救うマジックハンドである。
#痒み #孫の手
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