たまたま、2013年に父の介護のために帰郷した時に、車いすを使ったり介護ベッドを入れたり、何よりも実家の古くて寒い風呂場でなく、私自身が毎日入浴など基本的な生活がしやすく、快適な気温で父の介護もしやすいということで介護用にアパートを借りたのだが、その時にアパート用にガスコンロをもうひとつ買ってあった。念のために保存しておいたそのコンロに昨日差し替えてみた。2つの火口とも快適に点火する。良かった!ほっとした。毎食ごとの調理で、点火しないことに、かなりのストレスを感じていたので、本当にほっとした。
ただひとつ、以前のコンロは、最近のユニット型のガスレンジのように、火力をスライドレバーで調整するタイプだった。一方、今回取り換えたコンロは、昔ながらの回転式というか、ダイアルを回すタイプのものだった。火をつけたあとの火力調整で、体にしみついた横にスライドする火力調整を、無意識のうちに手がやってしまう。横にスライドする動作とダイアルを回して調整する動作の違い。
たまたま、今日の夕方、テレビで養老先生と猫のまるの特番をやっていたが、その中で、養老先生が、「動作の記憶はとくに強く残る」というようなことを仰っていた。然り。まさにその通りで、この数年の間に私の体が覚えていた記憶は、手を横に動かす火力調節だった。実は、東京の家も数年前に、キッチンのガスユニットを交換してスライド式になっていたので、私の中の火力調節の動作の記憶は、すっかり横に動かすものになっていたのであった。
横に動かすスライドレバーの位置で、中火や弱火の火加減を記憶していたのだが、それが御破算になった。けっこう、不便な感じだが、人間のすぐれた学習能力によって、あと数日もすれば、回すタイプの火力調整が、動作の記憶に上書きされることだろう。
でも、そうなると、東京の家に帰った時に、また、戸惑うことになるのかな?やれやれ。
#動作の記憶
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