それは、日産の高級スポーツセダンのシンボルとして君臨してきたスカイラインブランドの事実上の終りということを意味する。
初代スカイラインは、1957年に登場した。日産自動車の前身のひとつでもある富士精密工業が製造したが、当時の最速スポーツセダンとして日本のモータリゼーションの幕開けを象徴する車となった。
後に富士精密工業はプリンス自動車となり、66年に日産自動車と合併するが、我々世代は、プリンススカイラインという呼び名があったことをかすかに覚えている。
68年に三代目の「ハコスカ」が登場して、レースでの活躍と相まって、高速スポーツセダンとしてのスカイライン神話が始まっていく。
その後、ブレッド&バターのさわやかなCMソングが流れるTVCMのおかげもあって、「ケンとメリーのスカイライン」(通称ケンメリはここから生まれた)は、走り屋憧れのブランドとなった。(もっとも、ちょっと暴走族イメージもついて回ったけれど。)
一時期スカイラインブランドに翳りが見えた時期もあったけれど、あのゴーン氏が社長となり、GTRブランドを切り離してリニューアルするなど、新しいスカイライン神話が生まれた時もあった。
しかし、車全体の中でのセダンの不人気と、世界的なSUVへのシフト傾向など時代の動きの中で、スカイラインブランドも、少しずつ人気の衰えを見せてくる。
そして、この数年のガソリン車から電気自動車への急速なシフトチェンジである。
菅政権発足後の電気自動車への業界の動きは目を見張るものがある。もちろんこれは世界的な傾向でもあり、ベンツやBMWなども、電気自動車へのシフトを明言している。
今回のスカイラインの開発中止も、電気自動車への開発に集中していくことが、理由のようである。
スカイライン神話の終わりは、ガソリンエンジンの時代が終わりを迎えつつあることの象徴のように思える。
#スカイライン開発中止
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