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2021年06月05日

眼福の時

今週の介護休みの日は、久しぶりに高岡市美術館で開催されている伝統工芸展に出かけた。
高岡銅器や漆器など県内には、優れた伝統工芸品が数多く継承されている。そうした県内作品とあわせて、全国の優れた工芸品も展示されている展覧会である。
210603伝統工芸展チラシ.jpg

たまたまサラリーマン時代の最後の10年間くらいは、全国のものづくり企業や、プロダクトデザイナーの方々とお付き合いする機会に恵まれ、それが日本のものづくり産業とその製品に対して興味を持つきっかけにもなった。
元々美術が好きだったこともあり、年を経るごとに、優れた工芸品に対しても素直に素晴らしいなあと感じるようになった。

高岡銅器の名品や、木彫、漆芸、そして紬などの着物や織物に至るまで、数々の名品を眺めているだけで、穏やかで幸せな気持ちになる。それが優れた美術品や工芸品の持つ力であろう。

「眼福」という言葉がある。美術品など美しいものを見る幸せのことだ。ちなみに「口福」というものもあるが、まあ、確かに、年を取ると、美しいものを眺め美味しいものを食べて幸せを感じるということには、敏感になってくるようには思う。

人は誰でも、ごく当たり前の器を含めて、生活の中で何十年も色々なデザインの道具などを見てきている。当然、脳の中にはそうしたもののたくさんの画像データーがメモリーされているわけだ。そのデータが増えてくれば、できのいいものとそうでもないものとの造形の違いを、素人目にも感じるようになるだろう。仮に審美眼のようなことでなくとも、自分にとって好ましいと感じる形や色目などがいつのまにか形成されている。
それが、人それぞれにとっての「眼福」を感じさせてくれるのかもしれない。
#伝統工芸 #眼福
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