横綱不在の場所で、ひとり気を吐いたのは、大関照ノ富士であった。
序二段まで落ちながらも先場所優勝して大関に返り咲いた照ノ富士には、強烈な気迫を感じる。
朝乃山に欠けているのは、この気迫だろうか?
照ノ富士はずっとケガに泣いてきた。今場所も相変わらずバンテージだらけ、今も満身創痍である。
無理を重ねて千秋楽まで戦った体は、きっとあちこち痛いに違いない。しかし、そんなことはおくびにも出さない。昨日の遠藤との一戦も、惜しい戦いだった。物言いのついた取り組みは、確かに照ノ富士の腕が、わずかに早く土俵についていた。
そして本日、本割での大関・貴景勝との注目の一番は、突き落としで破れたが、優勝決定戦で、見事に貴景勝を突き放し優勝を手にした。その相撲には、他を圧倒する気迫を感じた。
(画像は、ABEMAニュースより)
優勝インタビューで印象的な言葉があった。
Q:これで来場所は横綱昇進に挑む場所になりそうです。横綱という地位はどんなものですか?
照ノ富士:「なりたいからと言ってなれるものでもないし、だからこそ経験してみて、できたらできたでいい、できなかったらできなかったでいいんで。一生懸命頑張って、最後まで自分の力を絞りましたと、胸を張って歩きたいです。」
<一生懸命頑張って、最後まで自分の力を絞りましたと、胸を張って歩きたい>何と清清しい言葉だろうか。
年を取って、涙腺が壊れてしまった年寄りは、今日もこのインタビューに思わず胸が熱くなってしまった。来場所の綱取りチャレンジが楽しみである。
朝乃山も、照ノ富士のこの言葉をかみしめて、復活に向けぜひ奮起してもらいたい。
#照ノ富士優勝
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