幼いころから、いつも顔を見ていた近所のおばさん。少し足の悪い方だったが、数年前から要介護になり、私の父と同じように、自宅でデイサービスを利用しながら介護をされていたが、この半年ほどはどこかの病院か施設に入っておられたようである。
コロナ禍ということで、県内の葬儀の9割ほどは、親族だけですませて、新聞の訃報欄には、「葬儀は終了しました」と記載されることが多くなったが、お隣の場合には、葬儀をされた。
ただ、自宅に掲示された案内を見ると、葬儀自体は親族のみで行われるが、密を避けるために、葬儀前の1時間ほど一般の方の焼香時間を設けてあるということらしい。お参りに出掛けてみると、入口でご遺族にご挨拶をしたあとは、そのまま焼香を行い着席することなく退場するという流れで、わずか5分ほどでお参りを終えた。
最近は、故人の思い出の映像などを流し、ねんごろにお弔いする葬儀が主流になっているが、そもそも日本の葬儀の要点は、お香典を持参して弔意を形にし、遺族にご挨拶して、ご焼香することであろう。その3つの要素は、含まれているわけで、このシンプルなスタイルは、一般の参列者にとっては、ありがたい面も多いのではないかとも感じた。
もちろんお寺さんの読経を聞きながら、ゆっくりと故人を偲び手をあわせることは、ずっと継承された伝統として意味のあることである。
しかし、コロナVがもたらしたこの形は、新しい生活様式のひとつとして、葬儀のあり方を見直すきっかけにもなるかもしれないと感じた。
私は、可能なら、コロナ禍でなくても、この簡単な形式で、さらっとお見送りしてもらうのも悪くないと思った・・・・合掌。
(*写真は、プライバシー保護のため、新聞の訃報欄を加工しております)
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