和室しかない100年古民家の日本風町家にロッキングチェア。ちょっと不思議な取り合わせなのだが、病気がちな母のために50年ほど前、母が最初の発作を起こした頃に父が買い求めたものだと思う。なぜ父がこれを買おうと思ったのか、わからない。今の認知症の父に聞いても「覚えとらん」と言うだけだ。
何しろ50年も前だから、この町には家具屋もないし、この手の物を買おうと思ったら、当時唯一の大手流通である地元のデパートの外商担当にでも頼むしかないだろう。もしかすると我が家担当の外商が、これいいですよと売り込んだのかもしれない。
父には、彼一流の思い込みによる不思議な「やさしさ」がある。(少なくとも彼はそれがやさしさであると思い込んでいる)
母のためになりそうだ、これはいい!おおかたそんな思い込みで買ったのだろう。
ともあれ、その椅子は、もう何十年も二階の物置に置きっぱなしだった。ところが、私も60代半ばになり、少しでも楽に過ごせる椅子が欲しいという思いも出て来て、ふと物置に入れっぱなしのこの椅子を思い出した。
引っ張り出して掃除をしてみたら、昔の製品はちゃんと作ってあるから傷もなくガタつきなどもない。実にしっかりしている。座ってみると、これがなかなか心地よい。
そんなわけで、このところ、ランチのあと、後片付けも終えて一息付ける時などに、この椅子に座ってJAZZのCDをかけたりしながらコーヒーを飲んでいると実に落ち着く。
そうか、こういう年になると、こういう物に座って時を過ごすのがしっくりくるんだなあと妙にはまってしまった。
そういえば、ROCKIN' CHAIR LADY というタイトルのアルバムを出していた歌手もいたなあ、などという事を思い出した。ミルドレッド・ベイリーである。ロッキンチェアに座って聞くには、まさにぴったりかもしれない(笑)
追伸:今日も無事に投稿、と思ったら、デスクの上の置き時計が15分も遅れていて、日付変更線を超えていた!でも、私の中では、この投稿は4月11日発信のものです(笑)
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