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2021年04月02日

歌舞伎の持つ魅力

歌舞伎という伝統芸能には様々な魅力がある。わずか30年ほどのファンで、歌舞伎座に足を運んだのは数十回程度で、今やテレビで月に数回見る程度の私が言うのもおこがましいけれど、自分が60代半ばを過ぎてみて、親・子・孫三代の芸を楽しめるというたぐいまれな芸能の仕組みは、あらためて興味深いと感じている。
210402中村屋連獅子.jpg

今日は、ETVで、勘九郎親子の連獅子を見ていた。当代の勘九郎さんの息子さんが、大きくりりしくなっていることに驚かされた。私にとって、勘九郎と言う名前は、亡くなられた勘三郎さんの勘九郎時代の印象が強い。勘三郎さんは、私の一つ下。私の母は、そんなこともあってか、勘三郎さんというか勘九郎時代の彼がごひいきで、テレビで見ては、「いい男っぷりね」等と言っていた。「あなたは、勘九郎にちょっと似てるところがあるわ」・・中学生の頃には、テレビで勘九郎を見ては、そんなことを私に言っていた。親とは有り難いというか、馬鹿と言うか、身の程を知らぬものである(笑)
そんなこともあってか、勘九郎にシンパシーを感じ、当時の勘九郎の父である先々代の勘三郎さんの苦虫をかみつぶしたようなお顔も妙に印象に残っていた。

私と同世代の勘三郎も、先々代の勘三郎と連獅子を踊っていた。私は、歌舞伎座で見る機会はなかったけれど、テレビでは見ていた。
そんなことを思い出しながら、今日の連獅子を眺めていた。
勘九郎の男っぷりと色気もずいぶんと脂がのってきていた。息子さんの貫太郎君も目つきがすばらしくなっていた。
60も半ばを過ぎると、先々代の勘三郎から、先代の勘三郎、そして当代の勘九郎とその息子の貫太郎、それぞれの芸を見る機会を得ることができて、それを思い返すことができる。血のつながった親子が芸を継承すると、血のつながりが、まるで写し絵のように先代の姿を彷彿とさせる。
それを見ていると、何とも言えない気持ちになり、そして、自分が年を取ったことも痛感する。

こういう伝統芸能の魅力を、演者だけでなく、見る側も勉強し、自分の身近な人間に記憶の継承をしていくことも必要かもしれない。

#歌舞伎 #連獅子
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