このオリンピックには、海外からの観客を入れないということが先日決定された。いや、今後のコロナウィルス感染の動向によっては、日本人の客でさえもドタキャンとなり無観客になるかもしれない。
IOCは、こうした発表に対して、いちいち日本からの要望によりこうなったというようなコメントを添えている。世界中からのゲストが観覧できないオリンピック、入場料収入は当初見込みを大きく下回り、経費は予算を大きく上回り、テレビ中継の放映権料だけでは、とうていまかなえない負の遺産がどんどん積みあがっている。
各競技に関わる選手や関係者の皆さんは、それでも一生懸命、なんとか大会を盛り上げようと尽力されている。でも、何かがおかしい。何か割り切れない。いや、何かが間違っている。
認可はされたけれど、ブレーキの壊れた自動運転車のように、オリンピックという実験車両は、既に公道を走り始めた。もはや誰にも止められないだろう。事故が起きた時に、急ブレーキをかけても、それはさらなる悲劇を生むだけかもしれない。
ネガティブなことを無責任に書くな、とお叱りをうけるかもしれない。
しかし、こうした声をちゃんと上げておかないと、国民の総意でこうなったというような話にもなりかねない。
古来、火は貴重なもので、プロメーテウスが神々の元からそれを盗んできたと考えられており、非常に神聖なものだった。こうした歴史を背景にして、オリンピックの聖火は、ギリシアで、太陽光から採火された炎を受け継いでいく。しかし、神聖な神の炎が、今年は、どこか不安定に揺らめいているようにも思えてくる。
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