松本まりかというタレントらしいが、まず、歌がニクイ。声も妙に心に残る。
♪はじめて〜のチュウ、君とチュウ〜♪ と歌う。そして、何とも言えない彼女の表情を、彼氏の目線のようにシンプルなアングルで、カメラが捉えていく。昔風に言えば、コケティッシュな女性で、その表情も魅力的で心につき刺さる。缶チューハイの商品カットに切り替わるまでのわずか9秒くらいの彼女だけのカットで、心をわしづかみにされてしまう。上手いなあ。こういう感覚は久しぶりだ。
(画像は、suntoryのCMより)
君と一緒に飲みたいチューハイ、あなたののことを思っていますという可愛い乙女心とまなざし、チュウという怪しい語感・・・などなどCMの最初の10秒に、色んな<毒>がまき散らされている。結果的には、「これ飲んでみようかな?」という気持ちにさせられている。
これがCMのチカラだろう。キーワードのチカラ、音のチカラ、歌のチカラ、キャラクターのチカラ・・・それが合わさって、「なんかいいね、これ」となる。次に店頭に立って、もしこの商品を見かけたら、頭の中に「君とチュウ〜」が響き渡り、思わず手に取ってしまうだろう。
Attention(注意)→Interest(関心)→Desire(欲求)→Memory(記憶)→Action(行動) 〜 AIDMAと言われるマーケティングの法則を見事に実践している。昔は、こういうCMがたくさんあった気がする。今は、何人ものビッグタレントが共演するやり方が主流だ。CM本来の企画のチカラからはちょっと遠くなってきたかもしれない。
3月から放送されているこのCMだが、その成果は、おそらく今月末の商品売上に明確に現れることだろう。
#鏡月 #君とチュウ
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