(恐らくわが県以外の新聞紙面では、一面には掲載されていないと思うが。)
実は、富山市は、2018年までの47年間、ブリへの家計支出が連続日本一だった!しかし、2019年は4位に陥落し連続記録が途切れてしまっていたのだ。それが、2020年の家計調査で再びトップの座に返り咲いたというわけである。トップに戻った2020年の富山市の1世帯あたりのブリへの支出額は、6990円だそうで、購入数量も1位で、4775gだという。仮に400円の刺身パックで換算すれば、年間17パック弱ていどだから、これくらいなら県内どこの家庭でも、間違いなくそれ以上買っているだろう。私の場合でも、この時期は、刺身と切り身両方を合わせれば、月に3〜4回は買って食べていると思う。一年を通じて販売されているけれど、ブリのいちばんおいしい旬の時期が3〜4ヶ月だとすれば、その間だけでも12回〜14回は買っていることになる。仮に家計調査データーのブリに、もしフクラギまで含まれているのなら、もっと多くなるだろう。
とにかく県内のスーパーでは、ブリの売り場はかなり場所を取っている。刺身も切り身も常時大量に並べられている。こんなに毎日大量に並べて食品ロスは大丈夫かなと思うくらいだが、見ていると、ブリの刺身や切り身を手にする人はしょっちゅう見かける。夫婦で買い物している人だと、なんとなくご主人のほうがブリのパックを手に取り、奥様は、値段の安いフクラギにしなさいよ、と言っていることも多い気がする。私もそうだが、ケンミンは、フクラギ好きも多い。フクラギは、ブリになる前の呼び名で、ふくらはぎくらいのサイズだからこの名がついたという説も有力だ。ブリよりさっぱりしてあきがこない。
ともかく秋から冬にかけて、ブリやフクラギの刺身や焼き物、あるいはブリ大根などの煮物が食卓に登場しないことなど、ケンミンはあまりイメージできないだろう。
ここ数年は、ブリの漁獲高の少ない年が続いたが、今年は比較的豊漁の日が多かったと思う。そのせいで昨年よりもスーパーでのブリの値段がこなれているようにも感じた。そのことも多少、日本一に影響したのかもしれない。
昔は、春先のブリは、ケンミンは食べなかったので、旬の時期は、2月いっぱいくらいまでだったような気がする。春先のブリは虫がいるなどという人も昔はいたが、今ではそんなこともなくなったのか、最近は初夏くらいまでスーパーに並ぶようになっている。
我が家では、私が中学生くらいまでは、正月に親戚が集まり、ブリ1本を家でさばいて、みんなで食べていた記憶がある。
氷見では、娘さんがお嫁に行った時には、その年暮れに嫁ぎ先にブリ一本を丸ごと贈るならわしがある。魚をさばけないご家庭が多くなっているから、頂いた先のおうちによっては、巨大なブリを前にして、途方にくれていることがあるやもしれぬが。
いずれにせよ、出世魚として縁起が良いとされ、美味しい旬のブリも、コロナウィルスのおかげで、観光客が味わうこともなかなか思うようにいかない日々が続いている。来シーズンには、また日本中から美味しいブリを食べに来ていただけるようになることを願っている。
#寒ブリ
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