23億円あった資本金を1億円に減資するということによって、税法上は中小企業になるということである。えーっ、あのJTBが中小企業!?と思った方も多かったと思う。かくいう私もそうだが、考えてみたら、少し前には毎日新聞やシャープなどでも、こういう事例が話題になっていた。
税制上は、資本金1億円超の法人を大法人、1億円以下の法人を中小法人と区分している。
中小法人ということになれば、税制上優遇措置を受けることができるなどメリットが大きくなるという。コロナ禍で、旅行業界は、大打撃を受けている業種である。鉄道、飛行機、ホテル、そして旅行業などは、決算期のこの時期のメディア報道でも、軒並み厳しい経営状況が伝えられている。こうした環境下で、中小企業になることは、経営改善策として大きな力になるということだ。
しかし、この動きを追随する大企業も増えるのではないかと国税は懸念しているようだ。大企業が続々と中小企業化すれば、税収も下がる。しかし、この経済環境下の中では、JTBに続く動きは今後も出てくるのではないかと思う。
私が就職試験を受けていた40数年前は、旅行業界のガリバーであるJTBも、JALやANAなどの航空業界も花形であった。銀行業界も、安定した存在として手堅い人気を博していた。しかし、コロナ禍の今、飛行機会社は、過去に例のないような赤字決算を強いられ経営危機にひんしている。JTBも同じである。銀行も、金融再編や経営統合など大きな構造変化を経験しつつある。一体だれがこのような時代の到来を想像しただろうか?
40数年前、サラリーマンになって最初のクライアントは、大手飛行機会社であった。誰もが憧れる企業だったその会社が苦境にあえいでいる姿を見ていると、本当に胸が痛む。
大企業だから、安定企業だから、という常識はもはや通用しない、という教訓。
コロナウィルスは、仕事のやり方と企業の在り方にも大きな変化をもたらしたのである。
#JTB #中小企業税制
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