私はテニスをやらないのであまり詳しくないけれど、彼女のすごさを感じることはできる。
実際、今回は素晴らしい闘いの連続だった。圧倒的な強さであった。以前と異なり、ちょっとゲームの形勢が不利であっても、すぐに立て直し、結果的には見事な勝ち方を繰り返した。
実質的な決勝戦とまで言われた準決勝のセリーナウィリアムズ戦でも、序盤で押されたものの、そのあとは、あの女王セリーナから、結局ストレートで勝利をもぎとった。
そして昨日の決勝戦。この試合もまた、一瞬崩れるかと思わせるシーンもあったが、ものの見事に立ち直り、最終的には見事な勝利を飾った。(写真は、ロイター)
彼女自身が、今大会で変わったこととして、メンタル面の強さを語っていた。その語り口からは、堂々とした「静かなるすごみ」が感じられた。
彼女は、わずか23才である。わずか、と言うと大変失礼かもしれないが、その若さでありながら、そのプレーも、そして笑顔も態度も、さらにはスピーチにおいても堂々としている。23才と言えば、私は会社に入って2年目だったが、まだ新入社員に毛の生えたようなレベルだった。まあ、凡人の私と天才を比べても何の意味もないけれど、言いたいことは、私に限らずたいていの人は、23才の時に、あのすごみは、とうてい持っていなかっただろうということだ。
アメリカで黒人青年が警官に殺害された事件が起きた時、彼女は、彼女流のスタイルで、様々な抗議行動を行った。画像は、その時の彼女のツイッターである。
黒人に対する差別行動に対して、テニスを見てもらうことより大事なことがあると思う、と言って彼女は、この時には、準決勝まで進んでいた大会を欠場した。
今回の優勝スピーチを聞いていても、若さに見合ったチャーミングさを感じさせながらも、素晴らしい落ち着きがあり、しっかりしたコメントだった。
この投稿のタイトルには、「静かなすごみ」という表現を使った。私は、そう感じた。
彼女の中のはっきりとした成長によって、明らかにすごみも拡大してきた。まだ23才の大坂、彼女が憧れたセリーナウィリアムズと同じように、今後の彼女は、すごみを増しながら勝ち続けるチャンピオンになっていくのではないかと期待している。
#大坂なおみ
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