お麩の煮物も時々作る定番メニューだ。おなかに優しくて栄養もある。そして、もうひとつ好きなのが、そうめんや冷や麦。こちらは、最近はランチに、ラーメン風のにゅう麺にして食べることが多い。もちろん夏になれば、普通のそうめんとしても食べる。
小麦粉でできているこの2つの食品に共通しているのは、グルテンだ。グルテンは、この食品だけでなく、パスタやうどん、パン、ケーキなど小麦粉で作るものには含まれている。
小麦粉の中のタンパク質が、水と一緒になりこねられてできあがる。ただし、グルテンが影響して体調を崩す人もいるため、最近ではグルテンフリーの食品というのもけっこう数多く出ている。
私は、20代の頃、新潟支社に転勤していた時に、新規得意先でお麩を作っている会社に何度か足を運び、製造過程も見学させていただいた。確かパンフレットか何かを作りたいというお話を頂いたのではないかと思う。広告会社というのは、お仕事を頂くと、その商品のことをかなり勉強する必要がある。というか、思いがけないことを勉強させていただける機会に数多くめぐり会う。年配の職人さんが、お麩を作りながら、一生懸命説明してくださったことを覚えている。小麦をこねていって、グルテンのねばりの出方を判断しながら、いちばん美味しい状態を見極めることが大切だとおっしゃっていたような気がする。ねった小麦粉を、棒にまとわせるように巧みに巻き付けていき、それを特殊なオーブンのような機械で焼いていく。40年くらい前のことで、小さな会社だったので、手で回しながら焼いていたように思うがそこはちょっと記憶が定かではない。
九州支社に転勤していた時には、やはり新規で獲得した島原のそうめん組合に何度も足を運び、朝4時頃からそうめんの仕込みも見学した。(そうめんは、工程が多く、熟成させる時間が何度も必要なため早朝から作業する製麺所が多い)こちらでも、グルテンの出方を見極めることが、あとで麺を手延べするときのコシの強さにつながるというようなことをお聞きしたと思う。こねられた小麦粉が、ぐるぐると円形にまとめられ、それをまた別の機械でこねたり、「より」をかけたりしながら、少しずつ細いロープ状にして、それをまた別の機械にかけて細く伸ばし、最後は、それを手に持った長い棒にひっかっけながら伸ばして干していく見事な技を間近で見て驚嘆した。
こうした技術によって、もちもちのお麩や、麺が出来上がる。グルテンの出来の違いが、噛み応えや、のどごしの違いになる。
そんな懐かしい記憶をたどりながら、私は今日もグルテンの魅力を楽しんでいる。
#麩 #そうめん #グルテン
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