老人二人で、しかも父はおかゆと刻み食という介護食となると、食材の消費速度は遅い。実質一人分に近い食事をちゃんと用意し続けるためには、食材管理にかなりの工夫が必要となる。同じ食事ばかり続くのも嫌だ。となると、食材の使い忘れが出てしまうこともある。
それを防ぐために、最近、食べるメニューを書いておくようにしている。
キッチンテーブルの上に、以前から置いて使っているホワイトボードの小さなメモスタンドがある。それに、買い物のメモだったり、食事のメニューだったりを書いておく。3〜4Pのスペースがあってめくって使える。そこに居酒屋のお品書きよろしく、思いついた本日の食事メニューを書く。そうすると食べ忘れや作り忘れを防げる。しょっちゅう使ってはいないが、今日はあれを忘れずに食べよう、とか、あれが食べたいとか、そういうのを書いておく。これでかなり食材ロスを防げる。ちゃんと食べる意識づくりにもなる。
昼頃に、晩酌にあれを食べよう、と思って書いておく時もあるし、食材をモチーフのようにメモしておく場合もある。そこからクリエイティブワークが始まる。別におおげさでなくても、仕事をするのと同じように目標と段取りを考え、それに向かってメモをしておく。それは、多少なりと脳の老化も防いでくれていると思う。
昨日は、カワハギの刺身を食べ忘れないように、というところからメモをした。このところ和食の比率がやや下がってしまい、肉の誘惑に負けて、せっかく買った刺身を食べ忘れてしまったりすることがある。普通の刺身なら翌日食べ忘れを見つけても、まあなんとか食べることはできる。しかし肝をつけて食べるカワハギの刺身となれば、そうはいかない。肝の新鮮さは当日限りだ。
そして、カワハギの隣に、ブリカマのみそ漬けをメモすると、和食でまとめようという気持ちが一気に固まる。もつ鍋は2日は持つが、今夜少し片づけないといけないな。そんな風にして晩酌のメニューを組み立てて心構えを作る。
食べるを考える、それは、今の私にとって脳と心を刺激するクリエイティブでエンターテイメントなことなのである。
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