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2021年01月11日

大雪が教えてくれたこと

日本海側に3日間降り続いた雪も、ようやく峠を越えたようだ。今日は、少し晴れ間もあった。雪かきに疲れ果て、不要不急の外出をやめて家に閉じこもっていた人たちが、町に出始めた。しかし、そこに待っていたのは、商品のないスーパーやコンビニだった。場所によっては、灯油やガソリンが不足しているガソリンスタンドまで現れた。日本の物流インフラの中核をなすトラック輸送が滞ったためだ。いかにトラックが日本の物流を担っているのかを思い知らされた。とりわけ、日配品と呼ばれる野菜や肉、魚、牛乳、豆腐、パンなど毎日配送されるものが全滅した。
210111商品のない店.jpg

北陸では、国道に260台もの車が立往生をして大混乱となった。大雪のたびに報道される事故も頻発した。家の前を除雪すると言って出かけた80代の男性は、用水路で遺体となって家族に発見された。一人暮らしの60代の男性は、家の横に止めた車の中で、発見された。原因は不明だが、車のエンジンがかかったままで、車内には排気ガスが充満していたという。ニュース映像を見た私の私見だが、おそらくマフラーが雪に埋もれて詰まっていたのに気付かずにエンジンをかけて車があったまるのを車内で待っているうちに、排ガスが逆流して中毒死されたのではないかと思う。屋根から落ちた雪に埋もれて亡くなった方のニュースもあった。悲しいニュースばかりで胸が痛む。前期高齢者になった私も、体力がめっきり落ちて、ちょっとしたことで事故になることが十分実感できるようになった。屋根の雪下ろしをするのも今年は見合わせた。

雪国から雪をなくすことはできない。何年かに一度はこうした大雪がやってくる。今年の大雪で、何度も雪かきをしながら、自分の体力がおちていることを痛切に感じた。悲しい事故のニュースは決して他人ごとではない。雪を流す融雪溝の重い鉄のフタを持ち上げながら、去年よりはるかにその重さが堪えることを感じた。この小さな溝に落ちたら、私も死んでしまうかもしれないな、今年はしみじみそう思った。

昭和38年の「38豪雪」の時には、屋根まで雪が積もり、2階から出入りした。私は小学生だった。除雪に来てくれた自衛隊の人たちからお菓子をもらったことを覚えている。あの時に比べれば、除雪システムも、町のインフラも、輸送機関もみんな進歩している。しかしやはり今年のようなことは起きる。トラック輸送の代替システムと言うのは難しいことだろう。すぐに電車輸送に切り替えることができないほど、便利な暮らしを支える日配によって現代の物流は、ギリギリで動いている。

わが家の前のお寺の境内は、すっかり雪に埋もれ、本堂前に設置してある三角形の雪除け通路もすっかり隠れてしまっている。毎日懸命に雪かきをしている住職は、70代だ。私の町内で雪かきをしている人の大半は、私より年長者が多い。
210111寺の雪DSC_0187.JPG

物流経済、道路インフラの課題、老人と過疎と雪対策などなど、大雪は、様々な社会課題を我々につきつけてくる。

#大雪 #トラック輸送 













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