累計で、東京都2つ分に相当する人が感染したのだ。そして、死者は34万人だという。こちらは、高岡市2つ分である。高岡市の住民の倍の人たちが、亡くなったというのに等しい。中規模の地方都市2つ分が、一年でゴーストタウンになったようなものだ。壮絶な数字である。想像がつかない。
(写真はAFP)
ペストやコレラ、天然痘、そしてスペイン風邪など、これまでにも疫病がはやったことはあった。しかし、医学がすすんだ現代において、これほどの猛威をふるった疫病はないのではないか。
トランプ大統領は、まるで、王座にこだわり続ける王のように、今も敗北を認めていない。しかし、彼の任期も今月20日までだ。もし仮に万一バイデン氏に何かあっても、トランプ氏が復活することはない。ようやく彼がホワイトハウスから去る日がやってくる。
タラレバ話ではあるが、もし彼が大統領でなければ、アメリカの感染者や死者は、もう少し少なかったのではないかと思う。
最大の罪は、イメージの影響である。彼は、マスクを拒み続けた。メディア社会の現代において、毎日ニュースに登場する国のトップが、マスクをしていなければ、「まだ大丈夫」だといういわれのない感覚はすぐに蔓延する。感染症の専門家の意見を尊重し、もっと用心深い人が大統領であれば、すぐにマスクと手洗いを呼びかけたかもしれない。しかしトランプ氏はマスクをこばかにし、専門家の意見を軽視して、風邪のような病気だとうそぶいていた。アメリカには、「チキン」という言葉がある。臆病者という意味だ。トランプ氏は、チキンではない、ということをアピールするようなタイプの人に見える。しかし、疫病に虚勢を張っても意味がないのだ。
そして、そんな人だから、経済政策を優先して、ニューヨーク市などでの感染が拡大したタイミングでも、国としての防疫対策において積極性を欠いた。
これはあくまで、裏付けのない、私の個人的見解である。しかし、あながち大きく間違ってもいないのではないかと思っている。
欧米でワクチン接種が本格的に始まっている。ワクチンがその効力を発揮してくれることを祈るばかりだ。また、治療薬においても、革新的な効力の薬剤が生まれることを心から願っている。
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