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2020年12月29日

幸せな暮しとは?

父の世話を初めてから7年あまりが過ぎた。その生活に入ろうと決めた時から、いくつかのことを失った。東京での仕事とか、東京の家と富山の家という二重生活、(いや、アパートを借りていた時には三重生活だったな)による相当な出費増。心理的な重圧によるストレス、命に係わる大病をわずらったこと・・・などなど。そこそこ苦労はしたと思う。東京にいる家族にもいっぱい迷惑をかけている。本来あるべき家族関係をかなりスポイルしたのではないかとも思っている。とりわけ仕事をしながら家事も支えた妻の苦労は想像にかたくない。

父が完全に寝たきりになって、世話をする物理的な負担は増大したと思う。一日二回のオムツ交換、3食を調理し、食べさせ、後片付けをすること。父のそばを長時間離れらないために外出もままならず殆どの時間を家で過ごす事など。
しかし、その苦労は、父が勝手気ままに出かけたり、私の目を盗んで自転車に乗って転んだり、といった様々な父の行動を心配しなくてよくなったことと差引ゼロかもしれない。何しろ、お寺の用事とゴルフと知り合いの葬儀に必ず顔を出すことが最重要課題で、世間の常識にはあまり耳を貸さず自分の理屈だけで動くゴーイングマイウェイの人だから。(それは私も同じだと、時々妻にも言われるが)
それに、外出せずに家にいることは、それほど嫌いではない。

今日は、とびきり美味しい漬物と御餅などを父の友人から頂いた。夕食に、頂いた極上の赤かぶと大根の漬物を食べて酒を楽しんだ。幸せな食事だった。
201229赤かぶと総菜.jpg

私は、一人の食事をあまり辛いと思わない。むしろ楽しめるほうかもしれない。実家で暮らしていると、スーパーで買い求める食材は、魚も野菜も美味しい。東京のものよりもかなり恵まれていると思う、今日の午後はフルーツケーキを焼いた。3食とも質素だけどとても満足のいく食事を楽しんでいる。食が満たされていることは、精神的にかなり大きなことだと思う。ささやかだが大切な幸せだと思う。それによってずいぶんと私は救われている。

人生は、幸せ半分、不幸せ半分だと山口瞳さんが書いていたような気がする。そうかもしれない、と最近少し思えるようになった。この数年は、自分の不幸にばかり目が向いていたようだ。きっと、この先、もう少しいいこともあるのだろう。そう思いたい。

#幸せの意味












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