しかし、冬将軍の到来に伴って紅葉も終わりを迎え、落葉の季節になっている。冬に向かう最後のあでやかな紅色ということでもある。
わが家の玄関には、落葉したもみじの葉が、風に運ばれ吹き溜まっている。
玄関を掃きながら、もみじの葉が増えているのを見て、ああ、冬に近づいているなあと感じる。
ちりとりの中に、冬へのうつろいを見るわけだ。
昨日、シベリア寒気団がやってくる話を書いたが、今日は天気予報通り富山市で初雪が舞った。県西部は、日中は降らなかったけれど、明日の朝には、初雪が積もるそうだ。30pほどの積雪になりそうだという予報もあったが、さてどうだろうか。
トイレ前の廊下の気温は、昨日に比べてぐっと下がった。夕食後に暖房を切ったら、10時過ぎには、12度くらいになっていた。明朝は、ひとケタの気温になるかもしれない。
北陸道沿いの町家は、夏の暑さをしのぐ事を主眼とした作りになっている。ウナギの寝床で、両脇を隣家にはさまれている構造の中で、少しでも湿気を逃がし暑さをしのごうとして中庭を作り、廊下から裏庭まで風が通るような作りにしてある。だから、冬は寒い。
私が子供の頃、廊下は三和土(たたき)だった。洗面所はタイル作りで、タオルかけのタオルが、朝凍っていたこともあった。
私が中学生の頃に改装されて廊下は板張りになり、トイレは水洗に変わり、さらに私が実家に戻ってからは、暖房なども強化したが、それでも寒い。
今よりずっと寒い家の中で、体の弱かった母は、毎日家事をしていた。心臓を患ったのも、急激な血圧変化、いわゆるヒートショックも影響していたのではないかと最近は思っている。
昔より快適になったとはいえ、今でも肌寒い台所で、明朝のお米をとぎながら、母のことを思い出していた。
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