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2020年11月20日

芋の煮っころがし

父の飲み込み能力が下がったことと、入歯が合わなくなり噛む力も落ちたことから、この3か月ほどは、おかゆと刻み食などの副菜でないと食べられなくなってしまった。
しかし、寝たきりといっても、父はなかなか元気で、意識も割にしっかりしている。もちろん会話をすることも問題ない。しかも、酒への欲求も衰えていない。
ただし、食事をしたことをすぐに忘れたり、夜中に「ご飯を食べとらん!」といって私を困らせるというようなことがあるだけである。(でも何度も繰り返されるとやはり疲れるけれど)
そんな父に食べさせる食事については、多少頭を悩ますのだが、いくつかの定番おかずを決めていて、それをローテーションするようにしている。
中でも、つぶして食べやすくしやすいイモ類やカボチャなどの煮物は、レギュラーメンバーである。
今夜は、里芋の煮物。すぐ柔らかくなってつぶしやすいし、栄養もあって食物繊維も取れる。もちろん私が食べて美味しいということも重要である。
201120芋DSC_0275.JPG

最近の夕食の段取りは、私の食事を用意しながら、その一部を細かく刻んだりつぶしたりして、父の分も取り分けておく。父用の副菜がだいたい用意できたところで、私は、いくつかのおかずをつまみにキッチンのテーブルで軽く飲んで、肉や魚などのメインディッシュは、あとですぐ食べられるように準備をしておく。少しお腹が落ち着いたところで父の食事を運び食べさせる。
それが終わったところで、あらためて自分のメインの食事をゆっくりと楽しむ、という段取りである。
やはり自分が空腹だと、どうしてもイライラすることにもつながるし、やるべき仕事を終えてからあらためてゆっくりと食事をするというこの流れは、精神的にも良いと思っている。

かくして、今夜も、アボカドペーストとクラッカーや里芋をつつきながら軽く飲んでから、父の食事の世話をした。
色々わずらわされることも多いけれど、うまい、と言って食べてくれると、やはりほっとするものである。里芋煮も、うまいと言ってくれて、続いて飲ませた盃の酒もまたうまいと言って目を細めた。
介護老人としては相当に幸せだということを、いまひとつわかっていない父は、ちょっと憎たらしい。

#芋の煮っころがし












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