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2020年11月15日

英語と私

アメリカ大統領選の投票は、ひとまず全50州の勝敗が確定し、バイデン氏が300人を越える選挙人を確保した。仮に多少の無効票があったとしても、もはやトランプ氏の負けは明らかだろう。しかし、トランプ氏は依然として敗北宣言を出すつもりはない。前代未聞の事態は続いている。

数日前、バイデン氏の勝利演説を聞きながら、ケネディ大統領の就任演説を思い出していた。1961年の演説である。このスピーチは、私が英語を好きになった大きなきっかけでもある。
201116ケネディ就任演説.jpg

たぶん中学生の頃だと思うが、英語学習雑誌に「ソノシート」と呼ばれるペナペナの赤いレコード盤のようなものが付録でついていた。その中にケネディ大統領のスピーチが英語の名演説テキストとして録音されていた。”We observe today 〜 “ という冒頭の力強い呼びかけにはじまるこのスピーチは、英語が持つ魅力と力を私に教えてくれた。高校生くらいまでは、確かこのスピーチの前半部分を諳んじることもできたように思う。今は、全く駄目だけれど。(笑)

私は、今どきの若者に比べれば英語はそれほどうまくないし、TOEICなどの資格も持っていない。しかし、このケネディのスピーチを初めて聞いた中学生の頃から英語に興味を持ち、兼高かおるさんの番組のおかげで、世界の国々への関心が高まり、モンキーズと、サイモンとガーファンクルと、ビートルズによって、英語の音楽に対する興味がわいた。以来現在に至るまで、英語に対する苦手意識はあまりない。

サラリーマン時代、最初に配属された飛行機会社の担当チームは、70年代当時としては珍しく国際的な部署で、時々外人から電話もかかってきたりしていた。そんな電話を私がたまたま取って、なんとかしゃべって対応していたのをそばで聞いていた当時の部長が、「お前英語できるんだな」と言ってくれた。しばらくして、その部長から、ある国の政府観光局の担当を命ぜられた。もちろん先輩と二人のペアで通ったが、最後は、私一人でほとんど対応した。この観光局の責任者がピノキオのゼペット爺さんのような人なつこい酒好きのオジサンで、大坂に一緒に出張したりしながら、次第に仲良くなった。これが、私が英語を好きになったもう一つの大きな理由だった。以来、社内で、外国対応も可能な営業のリストに入れられたようで、(実は、それほど英語力は高くないのに)その後もいくつかの海外クライアントを担当することにもなった。しかし、担当を命じられても、資格もないのに不安だということも多少言ったのだが、当時は英会話のできる人材も少なく、おおらかな時代で「まあなんとかなるよ」くらいのノリで仕事をさせられていた。しかし、英語にものおじもせず、多少会話することができるようになったのは、こうした仕事のお蔭であったと思う。
ヨーロッパへ長期出張した時の経験や、小さな観光局の英語の印刷物を作ったりといったことは、私にとっては、グローバルな者の見方とは何か?ということを教えてくれた。そのことについては、またあらためてじっくり書いてみたいと思う。

こうして英語を好きになった私にとって憧れの国でもあったアメリカは、今、大きな局面に立っている。トランプ氏がもたらした4年間の国家の変容は、この先どうなるのだろうか?バイデン氏がスピーチで語った ”Unity” が、これから4年の間に少しでも進行していくことを心から祈っている。












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