先日投稿したが、父の部屋の障子は、これまでに2枚を貼り終えた。それによって、部屋が明るくなった。わかってはいたが、これで私の中に火がついた。家中の障子を11月までになんとか替えたい、と。
朝食の後、大学時代、隣の音楽クラブにいた杉真理君のFM番組「ディスカバー・ビートルズ」を聞き逃しサービスで聴きながら、陽のあたる玄関前で古い障子紙をはがし、桟をきれいにする作業を行った。
フールオンザヒルが流れてきた。杉君(馴れ馴れしいが、学生時代には学食で時々話をしたり、うちの定期コンサートにも一度来てくれたので、まあ顔見知りということで)の解説は本当に素晴らしい。
作業をしていると、通りを歩くご近所の人が声をかけてくださる。「おー、手間な作業を自分でやるとは、すごいね」とか「ご精が出ますね」とか。まあ、あまり人通りのない町だが、2時間弱くらいの間に、3人くらい知り合いが通った。
桟を拭きながら、日本の和室文化はすごいなあとあらためて思った。周囲の一部に、釘を使ったものもあるが、桟の主な部分は、木組みで作られている。この障子は、私が物心ついた時からあるから、少なくとも50年以上は経っているが、今も健在だ。もちろん、一部折れて修理してある箇所もあるが、こうして新しく紙を貼って使い続けることができる。
木と紙でできた戸は、壊れれば燃やすこともできるし、土に返すこともできる。(最近の障子紙には化学繊維が織り込まれてはいるが、一応燃えるゴミではある)
薄い障子紙だが、障子戸をはずすと、仏間から冷たい風が居間に流れ込んできたから、ちゃんと断熱をしてくれている。和紙の文化と、木組みの高度な技が、障子戸を生み出し何百年も受け継がれている。この家は、私の代までかもしれないが、少なくとも私の体が動くうちは、こうしてささやかなメンテナンスをしていきたいと近頃思うようになった。
〜But the fool on the hill sees the sun going down
And the eyes in his head see the world spinning around ・・・
丘の上の愚か者は、きっと本当は賢人だよね。
#Fool on the Hill #フールオンザヒル #障子貼り
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