維新の会の主張としては、
大阪には、大阪府と大阪市という二つの役所が狭い面積の中で、同じような行政サービスを行い、非効率な税金の投資を繰り返してきた。知事と市長、府庁と市役所、それぞれの関係者が協力することなく非効率な税金の使い方をしてきた、と言う。
ホームページによれば、大阪都構想のポイントとしては、3つということで
@広域行政一元化による二重行政の解消→成長する大阪
A身近な基礎自治行政の拡充→優しい大阪
B民間でできることは民間に→自立する大阪
3項目の後半部分のキャッチコピーのようなところはよくわからないが、要は、行政をひとまとめにして予算も一本化し、大きな課題は都で、身近な問題は区で、という東京と似たような構造に、ということのようである。
公明党が賛成したあたりから、もしかすると今回はちょっと状況が変わってきたかなと思っていた。メディアでも、今回は賛成票が多いのではないかという予想も多かった。
しかし、投票結果は、賛成が675,829票、反対が692,996票ということで、僅差での否決である。正直、これほどの僅差という点においても、2回目の投票となった今回、そういうやり方もあるのかもしれないと理解を示した人が増えたのは事実だろう。行政の構造を変えようという変化に期待した人が半分近くは、いたわけである。
しかし、私も感じたこれまでのあり方を大きく変えることへの将来の不安、という点で、投票が近づくにつれて、あるいは投票当日になって、やはり現状維持でいいんじゃないのと思った人が多くなったのではないか?人は、大きな変化を選ぶのには、それなりのエネルギーが必要かもしれない。
橋本徹氏も、私の感想と同じようなコメントをしていた。曰く「人間は将来の不安に対し、ものすごく神経質になる。将来に不安があるぐらいなら現状の問題点を甘受しようということだろう」とコメントしていた。反対派である自民党の「大阪市がなくなってしまう」という、やや感情に訴えるようなアプローチも、最後には、心に響いたところもあったに違いない。
しかし、これによって地方自治のあり方に対する問題意識を全国に提示したことは確かだろう。維新の会の松井氏は、任期をまっとうしたら辞任すると早々と宣言した。いさぎよい決断ともいえるが、維新の会にとっては、これからの党としての力やブランドイメージに大きな影響を与えることではある。
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