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2020年10月04日

心に残る食べ物の記憶

料理は、時と場所、一緒にいた人やシチュエーション、そして見た目や味など様々な要素が組み合わさって、より記憶に残るものとなる。
昨日、ハンバーグを作る話の中で書いたけれど、ミュンヘンで食べたレバークヌーデルズッペ(Leberknödelsuppe)というレバーの肉団子のスープは、本当に印象に残るひき肉料理だった。
201004ドイツの肉団子.jpg
(写真は、参考例です)

当時、展示会の仕事で、1ケ月もの長期にわたるヨーロッパ出張をしていた時だった。支社の関係者や、ドイツの施工会社の人など、一日の半分は、英語での打合せで、しかも欧州の担当支社のあったデュッセルドルフからミュンヘン、ジュネーブへと、あちこちを移動しながらの仕事で、心身共に相当に疲れていた。たぶんいくつかの仕事の山場を超えて一息ついた頃ではないかと思うが、ドイツ支社の担当者が連れて行ってくれた店で、ミュンヘンのオペラハウスの近くだったように思うが、もはや記憶が定かではない。
ビールをひとくち飲んでほっとしたところで登場した名物料理がこれだった。お皿の上ににぎりこぶしくらいの大きな肉団子が鎮座した姿は、なかなかインパクトがあった。そして、味もパワフルで、レバーと肉の香りがしたことを覚えている。幸い、私はレバーの臭いなども、わりと平気なので美味しく頂いたが、もっと臭いが強いお店もあるそうで、食べられない日本人もいるようだ。
25年も前に食べた食事なのに、ミュンヘンのど真ん中のレストランで食べているという高揚感や、仕事が一区切りしてほっとした気持ちなどがあわさって、記憶に残る味になったように思う。
この前後にも結構海外出張が多くて、ロンドンに出張した時には、シェイクスピアも通ったというパブで、キドニーパイのような料理を食べた。イギリスには美味しいものが少ないと言われていて、確かにそうかなと思っていたのだが、この料理は美味しかった。この時に一緒に食事をした大先輩の海外関係の仕事をしていたコピーライターのKさんも、既に鬼籍に入られて久しい。でも、彼と一緒に食べたこのキドニーパイの味と共に彼のことは忘れないだろう。













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