父の部下だった方が、今年もまた新米を届けて下さった。昔は筋骨隆々としたたくましい方だったが、既に70代半ば過ぎだろうか、すっかり細くなられた。それでも、10kgの米袋を軽々と持って、玄関を入ってこられた。
稲が育つ様子、水が張られ、田植えが終わり、青々とした夏の田になり、それが黄金色のうねりを見せて収穫期の田んぼに変わる。それぞれの時期の田畑の景色がとても美しく、ああ、自分は幸せな環境の中で生まれ育ったんだなあと感じる。日本の田園風景のなんと美しいことか。それは景色としての美しさだけでなく、実りの力を秘めた美しさでもある。
7年前に帰郷してから、富山県のお米は本当に美味しい、としみじみ感じるようになった。時々東京の家で食べるお米の味とはやはりどこか違う。今朝は、父がデイサービスに行く予定だったし、おかゆも残っていたのでお米を炊かなかった。久しぶりにトーストとスクランブルエッグとベーコンという朝食を食べた。こういう食事も大好きなのだが、毎日、ほぼメニューの固定したご飯中心の朝食を食べてきたせいか、今一つ物足りなく感じた。もう体はすっかり伝統的な富山県民型食生活に染まっているのだろう。
稲刈りの季節が終わり、あと1ケ月半もすれば、我が百年古民家は、また朝晩の寒さにふるえることになる。
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