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2020年09月23日

命をつなぐ食

先日体調を崩してから、父は、食べ物を食べるのが少々大変になってきている。ここ一年ほど歯が悪くなっていて食べられないものが増えていたが、今回、さらに飲み込む力も落ちてしまったために、柔らかくて細かいものしか喉を通らない。
そんなわけで、あれこれ頭を悩ませながら、おかゆと一緒に組み合わせて栄養の取れるものを毎日考えている。
200923朝食DSC_0124 (2).JPG

定番メニューは、富山の郷土料理「エベス」。べっ甲とも言われるこの料理は、玉子をだしの入った寒天で固めたもので、地元のスーパーでは、どこでも売っている。喉の通りも良く玉子も入っているから栄養がある。これと、そぼろ状の肉や魚をおかゆと組み合わせて食べさせている。野菜も、煮たものなどをみじん切りにしたりつぶしたりしている。生野菜は、トマトとキャベツを細かいみじん切りにしてマヨネーズで和えたり、キュウリやニンジンをすりおろしたりもしている。
人は、赤ちゃんとして生まれて、年老いてまた赤ちゃんに戻ると言われるが、父の今の食事は、考えてみると赤ちゃんの離乳食のようだ。(そういえばオムツのお世話にもなっているし。)

この間具合が悪かった時、かかりつけ医から、高齢者は、口からものを取れなくなるとあっという間に体力が落ちてしまう、と言われた。実際あの時も、わずか数日点滴のみですごしただけで、見る見るうちに体力と気力が落ちていった。食は、本当に命を支えるものだと痛感した。

点滴をはずし、毎食口から食べられるようになってから、落ちくぼんでいた目に光が入り、ほほがふっくらとして顔に生気が戻った。今では、しっかり話をすることもできる。
以前は、食事を父のベッド脇に置いて、父をベッドに座らせれば、なんとか自ら食べることができた。しかし今は、毎食私が父に食べさせている。私が口元に運ぶひとさじひとさじが、まさに、父の元気をつないでいる。人はパンのみにて生きるにあらず、と言うけれど、やはり食は命をつなぐ源である。














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