但し、現時点でも指摘できる特徴が幾つかある。
その一つは、この災害は平成に国内で発生した地震災害で表面化した課題が全て含まれていると言う点である。
即ち、能登半島地震で起きた事の多くは「想定内」であり、既に経験済みで、危険性が従前から指摘されてきたにも関わらず、私たちは十分な対策を施してこなかった。
この事実は「想定外」による被害よりも深刻に受け止める必要がある。
とは言え、解決へ向けた模索は始まっている。
その一つは、地域社会の「孤立」ではなく「自立」を目指す事である。
近年、脱炭素政策の脈絡で、電力の地産地消が志向されている。
この考えを拡張し、電力面での「自立」を梃に、避難所の冷暖房や医療機器への電力提供、浄水器や揚水機向けの水供給、電気自動車( EV )を含む域内移動手段の確保などを中核として、被災しても10日間程度は自立可能な「地域自立圏」を目指す方向性である。
「地域自立圏」は、フェーズフリー(日常と災害時を連続して捉える考え)の思想にも嵌り、被災時だけでなく日常的にも多くの効用を持つ。
京都大防災研究所教授 矢守 克也
愛媛新聞 現論から
外部からの救援の意外な脆さを経験したからこそ、必要とされているらしい。
自立圏は必要だ。
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