これは、自民党有力議員の過去の発言・論考・対話を徹底的に調べ、夫々の議員が如何なるビジョン・理念を持っているかを明らかにした。
この時、分析に困った政治家がいた。
現在の岸田首相である。
岸田氏の発言には兎に角一貫性がない。
時々の権力者・有力者に沿って変化する順応型で、何をしたいのかが極めて不明瞭。
当たり障りのない事を言う才能だけは長けており、出身派閥である宏池会のリベラリズムを継承しているのかも定かではない。
「ブレる事だけはブレない」と言うのが、当時私が下した評価だった。
この傾向は、首相就任後の言動でより明確になった。
自民党総裁選では金融資産課税の導入を強く主張したが、首相になってから積極的に取り組もうとする姿勢は全くない。
新自由主義を是正すると言っていたものの、格差是正が進んだとは言い難い。
結局の所、何かやりたい事があるから首相をやっているのではなく、唯首相をやりたいだけ。
確固たる理念やビジョンに基づく政策実現を目指しているのではなく、首相でいる事自体が目的化している。
一旦権力を握ると、人事や政策に介入してくる面倒な存在になる。
公認権と資金を一手に握った総裁の権力は増大した。
現在の自民党においてトップの地位を手に入れると、派閥は邪魔な存在になるのだ。
改憲への強い信念があるわけではない。
彼にとって改憲も又首相であり続ける為の道具でしかない。
理念なきリーダーは怖い。
権力維持を目指す時、目先の支持に飛び付く事で方向性を失う。
東京工業大教授 中島 岳志 1975年大阪府生まれ。 専門は政治学。
著書に「保守と大東亜戦争」「中村屋のボース」など。
愛媛新聞 視標から
岸田内閣は既に臨界点を超えていると見做すべきらしい。
首相でいる事自体が目的化しているらしい。
此れじゃ駄目だ。
早く政権交代しないといけない。
そう思わない?。
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