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2017年11月17日

大腸CT(CT colonography)検査では、水溶性造影剤(ガストログラフィン)を使えば、なんと食事制限が不要か!!

おはようございます!
2018年3月11日(日)に金沢で
第12回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)
を開催します!!
大腸CT検査についてはもちろん、
AI、AR(オーグメンティッド・リアリティ、拡張現実)、
大腸がん検診、そして大腸カプセルといった豪華な会になりますよ!


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関西大腸CTセミナー 2018」を開催します!
昨年、大変ご好評をいただきました
日時: 2017年1月20日(土)
場所: 大阪
是非、お越しくださいね。
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■




PubMedから、今日のつぶやき − 115 −


Bellini D, et al. Bowel preparation in CT colonography: Is diet restriction necessary? A randomised trial (DIETSAN). Eur Radiol. 2017 Aug 10. doi: 10.1007/s00330-017-4997-3. [Epub ahead of print]



本日も、「大腸CT検査に食事制限は必要か?」の論文のご紹介です。
アブストラクトの続きをみてみましょう。

【結果】
97名の患者がランダムに2群に割り付けられた。

DR群:食事制限(Diet-Restriction)群:47名。
NDR群:非食事制限(No-Diet-Restriction)群:48名。

両群共に大腸内残渣のタギング状態は良好であった。

腸管前処置の質:4段階(0点が良好〜3点が不良)評価
の結果は以下であった。

食事制限群
固形残渣:0.22点(95% CI 0.00-0.44)
液状残渣:0.39点(95% CI 0.25-0.53)

非食事制限群
固形残渣:0.25点(95% CI 0.03-0.47)
液状残渣:0.49点(95% CI 0.30-0.67)

両群間で有意差を認めなかった。

受診者の受容性は非食事制限群で有意に良好であった。

【結論】
低容量前処置の大腸CT検査はタギングを適切に行うことで、
検査前の食事制限なしでも
大腸内残渣のタギング状態は良好であった。
食事制限を設けないことで受診者の受容性も向上した。


(コメント)
以前、私が大手企業の系列病院で経験していたことと
まさに同じですね。
日本でも追試を行いたいと真剣に考えています。

ただ、注意点があります。
今回の研究を表面上だけで理解するのは危険です。
例えば、今回のイタリアでの検討では
タギング製剤はガストログラフィンが使用されています。
大腸CT検査におけるタギング性能において、不溶性造影剤(バリウム)は
水溶性造影剤に対して劣性であることは複数の研究で明らかになっています。


不溶性造影剤では食事制限がないと著しい質の低下は下げられない
ことには留意が必要です。

このあたりを含め、大切な記載がありますので、
次回からは本文にはいって詳しくご説明していきますね。

それでは、また。


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28812132


★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y

PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967

委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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皆でパワーアップしていきたいですね!!


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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。



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プロフィール
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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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