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2018年11月21日

大腸CTアカデミア 大腸CT検査のプロトコルは診断精度を落とさない範囲で線量を最小するよう工夫されている!







PubMedから、今日のつぶやき − 370 −

Buchach CM, et al. Performing an additional decubitus series at CT colonography. Abdom Imaging 2011;36(5):538-44.



それでは、論文
「大腸CT検査における3体位目の追加撮影」
をご紹介します。


【考察】
大腸CT検査がより普及するにあたり、
気がかりなことしてよく挙がるのが
被ばくの問題である。

大腸CT検査のプロトコルは診断精度を
落とさない範囲で線量を最小するよう
工夫されている。

現在、1体位あたりの実効線量は
一般的に2.5mSvであり、
1検査あたりでは5mSvとなる。
追加撮影が行われた場合には
合計で7.5mSvとなる。

臨床現場ではさまざまな違いがあるものの
なるべく被ばく線量は最小限にするという考え方
(ALARA)から、診断精度を下げない範囲で
追加撮影を避けるよう努めなければならない。

近い未来には、画像再構成法やノイズ減少技術の
アルゴリズムによりより被ばく量を下げられるだろう。

存在するか存在しないか不明であるが
大腸CT検査に伴う少ない被ばくに伴うリスクは
大腸内視鏡検査に伴う偶発症リスクに比べ少ない

(感想)
この論文が出たのが2011年ですから、
更なる被ばくの低減というこの予想は
当たっていますね。

しかし、残念ながら
日本の全国調査(GAIA-3)で集まった撮影プロトコル
をみると、2011年前の米国の被ばく線量に比べて、
日本はまだかなり被ばくが多いといえるようです。
10年遅れている感が否めません。

このデータは、GAIA-3のサブスタディとして
まもなく和文論文として投稿される予定です。

今日はこのあたりにします。
それでは、また。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21184064


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。





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大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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