2018年09月21日
大腸CTアカデミア 患者さんとして感じた不便を解決するために
PubMedから、今日のつぶやき − 327 −
Seres M. From Patient to Patient-Entrepreneur: Development of an Ostomy Bag Sensor. Am J Gastroenterol. 2018; 113: 8-10.
それでは、
In My Own Voice
「患者から患者起業家への道のり
人工肛門バッグセンサーの開発」
のご紹介です。
移植手術を受け目が覚めた時のことは
ぼんやりしていますが、私はお腹に手を触れて、
お腹につけられた袋を触ったことを覚えています。
私は回腸摘出術を受けていました。
術後につながれたたくさんのチューブ、
モニターの音、痛みなどがあったにもかかわらず、
私が一番覚えていたのは、お腹につけられたこのバッグでした。
回復してから、お腹にできたピンク色の人工肛門について勉強するようになりました。
人工肛門に慣れるまで2週間は要しましたが、その頃には人工肛門につけられたバックから時々漏れるということにも慣れていました。
人工肛門のバッグを交換するためには、手助けが必要でした。
看護師はバッグ内容を空にしてその量を測定していました。
腸の調子を知るためには、バッグの内容量を測定することが
とても重要だったのです。
人工肛門から排出量が多すぎると脱水になってしまい、
クレアチニン値が高値となり腎機能が悪くなってしまいます。
人工肛門から排出量が少なすぎると、
腸閉そくになってしまう可能性があります。
このような測定は、21世紀になった今では前近代的で
より良い選択肢があるべきだと感じていたのです。
(感想)
タイトルに近づいてきましたね。
不便なことを、解決するために考えることは
発明のヒントになります。
自分も大腸CT検査をはじめた2001年、
術前検査として使用していた注腸類似像(CT enema像)
が腸管内容で水没していた腸管部分が欠損像に
なってしまうことに悩んでいました。
現在のタギングは病変を描出する目的で
米国から始まりましたが、
私は完全な注腸類似像にするたの目的として
水溶性造影剤を腸管洗浄剤に混ぜることを
提案して、特許をとることができました。
2003年にマドリッドで開催されたUEGWで
発表したスライドを添付しますね。
不便なことは必ず解決できると信じています。
まだまだある大腸CT検査の不便を皆で解決していきたいですね。
今日はこのあたりまでにします。
それでは、また。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28872152
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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